否定表現の特徴
「早く準備しないと、会議に間に合わない」というように、「ない」や「ません」が連続して使われます。
そのため、ネガティブな印象を与えます。
否定表現で伝えられると、委縮する人もいます。
多くの人は気分が沈み、場合によっては不安や恐怖を感じることがあります。
肯定表現の特徴
「早く準備すれば、会議に間に合います」というように、基本的に「ます」と肯定で終わります。
肯定表現は人の気持ちを前向きにさせる効果があります。
肯定表現と否定表現の比較
【否定表現】鍵をしめずに、外出しないでね。
【肯定表現】鍵をしめてから、外出してね。
【否定表現】来週までに、作成してもらわないと困るからね。
【肯定表現】来週までに、作成してもらえると助かるよ。
【否定表現】今の手法では、うまくいかないはずだ。
【肯定表現】今の手法を少し変えれば、うまくいくはずだ。
否定表現を肯定表現に言い換える
「もう+否定語」を「まだ+肯定語」に変換する
「もう、しんどい」「もう、つかれた」。私たちは、つらい気持ちを人に伝えたいときに、「もう+否定語(否定的な言葉)」を使います。
「もう+否定語」は、切羽詰まっている、これ以上はできないという不安や焦りを表しています。
相手が、「もう+否定語」で話してきたら、相手の気持ちを察した上で、「まだ+肯定語(肯定的な言葉)」に置き換えてみます。
「まだ+肯定語」は相手を落ち着かせる鎮静作用があります。相手を安心させてから、前向きな話に切り替えましょう。
「もう+否定語」を「まだ+肯定語」で切り返す
もう、やめたい。
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まだ、続けられるよ。始めたばかりじゃないか。あと少し続けてみよう。
もう、あきらめた。
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まだ、粘ってみよう。チャンスは必ず巡ってくる。粘り強くいこう。
もう、終わりだ。
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まだ、これからだよ。スタートに立ったばかりだよ。
共感の言葉を加えて、切り返す。
疲れたよ。もう、一歩も動けない。
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疲れたよね。まだ、諦めずに、歩いてみよう。
大変だよ。もう、僕にはできない。
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大変だよね。まだ、君には力があるよ。
部下への指示は肯定表現を使うと効果的
「もう~しかない」ではなく、「まだ~もある」を使う
(悪い例)
「締め切りまで、もう3日しかない。もっとがんばれよ」
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(良い例)
「締め切りまで、まだ3日もある。できるぞ」
「もう~しかない」では、「がんばろう」と気合が入る前に、「このままじゃ間に合わないかもしれない、どうしよう?」といった焦りや不安が先に立ちます。
「まだ~もある」なら、部下の気持ちも落ち着きます。
※ネガティブな言葉をポジティブな言葉に変換するコツについては、こちらをご覧ください。
本日のまとめ
①否定表現は、ネガティブな印象を持たれることが多い。場合によっては、相手を委縮させたり、恐怖を与えてしまおこともある。
②「もう+否定語」は「まだ+肯定語」で切り返すと、気持ちが前向きになる。
部下への指示は肯定表現が好ましいことが多い。
③「もう+否定語」が頭の中に浮かんだら、口に出す前に、「まだ+肯定語」に置き換えてみる。それだけで、自分の気持ちも前向きになれる。