褒められたら褒め返す
褒め返しのコツ
会話はキャッチボールですから、「褒める」のも、やはりキャッチボールが肝要です。
ボールを投げられたら、投げ返す。つまり、お互いがボールを「投げ合う」のであり、これは気持ちを投げ合うことに通じます。
「褒められたら、褒め返す」ことが大切です。
褒められっぱなしでは、キャッチボールになりません。褒め返してこその「気持ちの投げ合い」であり、これを繰り返していくうちに意気投合します。
さて、その際の参考にしてほしいのが、自分の関心のある点について褒めたがるという人間の心理傾向です。
会う度に、あなたのファッションセンスを褒めてくれる人はいませんか。
「色の取り合わせがいいですね」「ステキなネクタイだ」「趣味のいいジャケットですね」など、さしてきにしていないところも指摘してほめるのです。
なぜかというと、自分自身がオシャレに興味があるから、人のオシャレに目が届き、そのセンスを褒めるのです。言い換えれば、次のようにもいえます。
人のオシャレを褒めるのは、自分のオシャレを褒めて欲しいからだ、と。もちろん意識してそう思っているのではないでしょうが、そういう心理が潜在していることは少なくありません。ここに「褒め返し」のコツがあります。
○「あなたのようにオシャレな方に褒めていただくなんて光栄ですよ」
一緒に食事をしている人から、
「お箸の使い方がとても上品で、礼儀作法に適っていますね。見習いたいわ」
と褒められたときは、その相手自身が箸の使い方が上手い人、礼儀作法に関心が強い人だと考えて、こう褒め返すのがいいでしょう。
○「いえ、あなた様こそ、お箸の使い方がとってもきれいです。先ほどから感心して見ていたんですよ」
注意点は、褒められたことに上乗せして「褒め返す」というところです。
しかも、「同じところを」です。マナーを褒められたら、相手のマナーをさらに「褒め返す」のです。
マナーを褒められたのに、相手の腕時計を「褒め返す」のは、効果的なキャッチボールとはいえません。
褒められたときの返し方
①素直に感謝する
人から褒められたときに、謙遜することが美徳という思いから、「いや、そうでも…」「そんなことないです~」と褒め言葉を否定する人がいます。
しかし、謙遜ばかりしていると、相手から「自信がない人だな」と思われて、自分の評価を下げてしまうことがあります。
褒められたら、謙遜するのではなく、「ありがとう!」と素直に感謝を伝えたほうが、お互いが気持ちよく会話を続けられます。
②嬉しい気持ちを伝える
感謝の言葉と一緒に褒められていることに対する嬉しい気持ちを伝えましょう。
「やったー」「嬉しいです」と付け加えるだけで、褒めた方も褒めた甲斐があったと感じます。 そのときに笑顔を忘れないようにしましょう。心から喜んでいることを表情で伝えます。
③相手のことも褒める(褒め返し)
褒めてくれている人に対して、直ぐに褒める(褒め返す)と好印象を与えることができます。
例えば「〇〇さんに言っていただけるなんて光栄です」と返すと、相手も気分を良くなるでしょう。
ポイントは「〇〇さんこそ‥」「〇〇さんも‥」「〇〇さんに‥」という具合に、会話の焦点を自分から相手に切り替えることです。
※褒め上手については⇓
褒められ上手な受け答え
上司に褒められたとき
上司「よくやったじゃないか」
(悪い例)
部下「はい。意外とうまくいきました」
意外とは、偶然、たまたまといった意味合いです。かえって、自分の評価を下げてしまいます。
(良い例)
「ありがとうございます!頑張った甲斐がありました!」
「ありがとうございます。力を存分に発揮できました!」
このように、感謝と喜びを伝えます。
そして「新しい提案なのですが…」と話をつなげることができれば、上司も話を聞いてくれるはずです。
趣味を褒められたとき
相手)「絵がとても、お上手ですね」
(悪い例)
私)「いえいえ、そんなことないです」
相手)「いやぁ~。とても素晴らしいですよ。特にこの部分の色彩は…」
相手は「いえいえ、そんなことないです」という私の謙遜に対して、フォローを入れないといけなくなり、気を遣うはめになりました。
(良い例)
私)「ありがとうございます。とても、うれしいです。もっと、上達できるように頑張ります」
感謝、喜びに加え、「目標」を伝えることで、相手からの評価はさらに上がります。
本日のまとめ
①褒められたときの3つのポイント
・感謝を伝える
・嬉しさを伝える
・褒め返しをする
②謙遜のしすぎは、自分の評価を落とすことになる
③謙遜することで、相手に気を遣わしてしまうこともある