「なぜ」が逆効果になるケース
相手に「責められている」という印象を与えてしまう
相手が言い訳に終始する
(私) 「なぜ、あんなミスをしたのか?」
(相手) 「いやいや、ミスをしたくてしたんじゃないよ。最近、残業が多くて疲れがたまっているんだ。集中力が落ちていたんだよ」
相手は「責められている」と感じて、自己防衛反応から、言い訳を述べるのに必死になります。
相手が怒り出す
(私) 「なぜ、あんなミスをしたのか?」
(相手) 「あんなって!こっちも一生懸命やっているんだ。俺だけが悪いのか!」
言い訳のときと同様に、相手は自分が「責められている」と感じて「怒り」によって自分を守ろうとしています。
👉ミスが起きたときは、原因を究明して再発防止策を講じなければなりません。
しかし、ミスをした本人が言い訳に終始したり、怒るというように感情的になってしまうと、原因が分からないため対策を講じることが困難になります。
理論的な答えを強要してしまう
怒っている友人に対して
(私)「なぜ、怒っているの?」
(友人)「いや‥」
怒っている友人に「なぜ、怒っているの?」と聞いてみると、友人は、ブスッとして「いや‥」と言葉を詰まらせてしまいました。
私の「なぜ」という質問に対して、友人は「なぜなら~」と理論的な答えを出さなければならなくなり、頭をフル回転する必要に迫られます。
友人は、プレッシャーを感じることになり、怒りと合わさって、余計に不機嫌になったのです。
「なぜ」を他の質問フレーズに言い換える
質問の基本は5W1Hと言われます。なぜ(Why)を他の「W」や「H」に言い換えて質問してみます。
部下に対しては「なぜ(Why)」ではなく「どうすれば(How)」が効果的
上司「なぜ、こんなこともできないんだ?」
👉部下は、「なぜ、俺はできないのだろうか?」と「できない理由」について考えて、「できない理由」を答えなければならなくなります。
部下は、ネガティブな思考を強制されてしまいます。
質問の仕方を変えてみます。
「どうすればできたかな?」(How)
👉部下の思考は「どうやったらできたか」というポジティブな思考に変わります。
感情的な相手には「なぜ(Why)」以外の「4W」と「1H」が効果的
(私)「なぜ、そんなに怒っているの?」
👇
・何が気に入らないの?(what)
・誰のことを怒っているの?(who)
・いつのことを怒っているの?(where)
・どこで起きたことに怒っているの?(when)
・どうすれば怒りが収まるの?(how)
「なぜ」が効果的なケース
ビジネスの場面で論理的に答えを突きつめたいときなどは、「なぜ」という質問を繰り返すと効果的です。
目標を達成するための分析
上司「なぜ、先月は営業目標に達しなかったのか?」
部下「契約に行く前に話が終わってしまうのです」
上司「なぜ、契約に行く前に終わってしまうのか?」
部下「そこまで信頼関係ができていないからです」
上司「なぜ、契約までの信頼関係が築けないのか?」
部下「飛び込みでいくと、初めから警戒されてしまうからです」
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※人を動かす「質問」について詳しくは⇓
本日のまとめ
「なぜ」という質問が逆効果になってしまうケース
①相手に、責められているという印象を与えてしまう
⇒「言い訳」や「怒り」の返答となり、原因究明には至らない。
②相手に、理論的な答えを強要してしまう
⇒相手が感情的なときは、プレッシャーを与えてしまう
「なぜ」という質問が効果的なケース
ビジネスの場面で論理的な答えを求めるときは「なぜ」を繰り返すと効果的