ラベリング効果とは
ラベリング効果とは、相手にラベル(レッテル)を貼ることで相手の心を動かすテクニックです。
ラベリング効果は、1960年代に社会心理学者であるハワード・S・ベッカーが提唱した「ラベリング理論」から来ています。
ラベリングをすることによって、相手はラベルの貼られた通りに暗示にかかってゆくことを指します。
例えば
小さいころ、
「女の子なんだから、お行儀よくしなさい」
「男の子なんだから、こんなことで泣いてはダメ」
と性別で差をつける。
「B型ってマイペースだよね」
「几帳面だと思ったら、やっぱりA型なんだ」
など、血液型で性格を決めつける。
このようなことを言われ続けると、意識してしまうことはありませんか。
これらもラベリング効果の1つです。
※決めつけは、よくない。決めつける人の特徴と対処法について、こちらで詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
ラベリング効果の具体的な使用例
恋愛
怒りっぽくて短気な彼氏。そういったところを直してもらいたいなら、
会話の合間に
彼女「あなたはとっても優しい人ね」
と何度も付け加えます。
すると相手は暗示にかかり、あまり小さなことで腹を立てなくなったり怒ったりしなくなるようになる可能性があります。
夫婦
食事、買い物、旅行など、何でも自分で決めなくてはならない。夫に相談しても、あまり頼りにならず困っている。
妻「どうしてあなたはこんなに頼りない人なの!」
と相手を責めて怒ってばかりいると、相手の欠点は直るどころか「本当に頼りない夫」になってしまいます。
夫の頼りなさをどうにかしたいならば、意識的に会話の途中などで、
妻「あなたって実は頼りになる人だよね」
と繰り返し伝えることが大切です。ラベリング効果で、夫は「自分は頼りになる男だ」と思うようになり、実際に普段の言動にも表れるようになります。
自分
自分に対して
「自分は何にもできない、情けない奴だ」
と自分のことを常日頃から自己否定していると、本当に自分は何にもできないように感じてしまい、全てにネガティブになってしまいます。
逆に、自分の長所を認識して
「自分は愛想が良くて、笑顔が良いのが魅力だ」
と感じていると、ラベリング効果により、色んな場面で様々な人に笑顔で接したり愛想よく振る舞ったりするようになり、人から好かれるようになっていきます。
職場
事務やサポート担当の部下に対して
「気配りができる人だね」
と何度か伝えていると、ラベリング効果により、言われた部下はそれが自分の特性だと信じるようになります。
チームが仕事をしやすいように、今まで以上に気を配ってくれるようになります。
いつも、しかめっ面で不機嫌そうな人に対して
「笑った顔が魅力的」
「笑顔が爽やか」
などの褒め言葉を伝え続けると、ラベリング効果により、自然と笑顔になる機会が増えていき、周囲の印象も変わっていきます。
※笑顔の効果についてはこちらです⇓
ラベリング効果の注意点
ネガティブなことを言わない
ラべリング効果は使い方次第でプラスにもマイナスにもなります。
例えば、
「シャイなんだね」
「恥ずかしがり屋なんだね」
と言われ続けると、その人は、人前で話すことがどんどん苦手になってくるなど、マイナス方向に働いてしまうことがあります。
ネガティブなことを言い続けることは、避けなければなりません。
本日のまとめ
ラベリング効果とは、あの人は○○な人だとラベル(レッテル)を貼ると、貼られたひとは、心理的な影響を受けて、そのような人となりの行動をするようになること。
例)怒りっぽくて、短気な彼氏に対して、会話のあいまあいまに
「あなたって、優しい人ね」と言い続けると、彼氏は本当に優しい人となりに
変化する。
ラベリング効果は、プラスにもマイナスにもなる。
ネガティブなことを言い続けると、その人はネガティブな言動をとるようになってしまうので、注意が必要となる。
ラベリング効果を上手く利用しよう
ラベリング効果は研究でも実証されている効果であり、気がつかないうちに日常で使用しているテクニックです。
そのため使い方次第では自分への成長促進にも、周囲への成長機会の創出にもなり、ビジネスを円滑に進めることもできるかもしれません。
プライベートもビジネスにもうまく取り入れて、よりよい自分になるために、また自己実現に向けて一歩踏み出してみましょう。