過ちを認めないのは防御本能
人は自分の間違いや失敗を認めることが、なかなかできません。
過ちの責任が自分にあればあるほど、頑なに認めなくなります。
「私は悪くない」「私は正しい」という自分を守る本能が働くからです。
過ちを素直に認める重要性
本能のままに、過ちを認めず、責任逃れの言い訳ばかりをしていると、自分の評価を下げることになります。
裏を返せば、自分の過ちを素直に認めることは、人としての価値を押し上げます。
謝罪をしない人の心理と特徴
謝罪することは負けることだと考えている
謝罪をするということは、自分の責任を認めたということになります。
プライドが高い人は、自分の非を認めて、他人から否定されることは、負けを意味すると考えがちです。
それゆえ、自分の責任を認めたがらないので、謝罪をしません。
自分の方が正しいと考えている
価値観の違いなどから、悪いという基準は人によって異なることがあります。
自分は正しいと思い込んでいて、謝る必要はないと言い張る人が少なからずいます。
周囲からは、過ちを認めない人のように見えてしまいますが、本人は全く悪いと思っていないことがあります。
このように、謝罪しない人の中には自分の考えが正しいと信じて疑わない人がいます。
自分の評価を下げたくない
たとえば、職場で仕事のミスを認めることで自分の地位や立場が悪くなるのを避けたがる人がいます。
このタイプの人は、自分を保身するために、責任の言い逃れをしたり、自分の非を他人に擦り付けたりすることがあります。
自分の評価を下げたくないという気持ちが強いため、謝罪をしない傾向があります。
とっさに出る「責任逃れの言葉」
私の失敗例です。皿洗いのアルバイトで、お皿を割ったときに、とっさに出た言葉は
「お皿が割れてしまいました。すいません」
本能的に「私は悪くない」という防御反応が出てしまい、お皿を主語にして、責任の所在を不明確にした言い方をしてしまいました。
自分が、皿を割ったのなら
「(私が)お皿を割ってしまいました。すいません」と素直に言うべきです。
その後「皿が勝手に割れるわけがないだろう!」と叱られたことは言うまでもありません。
自分が失敗したことを素直に認め、心のこもった謝罪をできるかどうで、その人の評価が決まります。
気持ちのこもった謝罪の言葉
過ちを認めた後は、いかに気持ちのこもった謝罪ができるかが重要となります。
ここからは、誠意が伝わる謝罪の言葉を紹介します。
想定外のことが発生したケース
✕「こんな事故が起こったことは、全くの想定外のことです」
謝罪会見などでよく耳にする言葉「想定外」です。
想定外という言い回しは、「想定外のことだから、私の責任ではない」「想定外だから仕方がなかった」という責任回避の意味に聞こえます。
想定外は、この人は計画性がなく、場当たり的な仕事をする無責任な人だと、評価をますます下げてしまう言葉です。
例え、本当に想定していなかった事態が生じたとしても
〇「私の注意が至りませんで、申し訳ございませんでした。ご迷惑をおかけしました」
というように、自分の反省として謝罪する姿勢を示さなければなりません。
待ち合わせの時間に遅れたケース
✕「申し訳ございません。余裕をもって出たのですが、電車が遅れてしまいまして…」
✕「すみません。渋滞に巻き込まれて、いやあ、まいりました」
いずれも「事情の説明」をしているわけですが、相手からすれば「適当な言い訳をしている」ように聞こえます。
誠意が伝わる謝罪の仕方は
〇「申し訳ございません。暑い中、お待たせさせてしまいました。本当に申し訳ございませんでした」
〇「貴重な時間を無駄に使わせてしまって、すみませんでした」
というように、相手の立場で、謝罪の言葉を伝えることが大切です。
謝罪の仕方にその人の人間性が現れます。
相手を気遣う言葉を添えられる人は、「この人は、人への気遣いが出来る人だ」という安心感を与えます。
※過ちを認めることの大切さを解説しています
本日のポイント
自分の過ちを素直に認めることは、その人の価値を上げる。
・過ちを犯していながら、認めずに改めないのが、本当の過ちである。
謝罪をしない人の特徴
・謝罪することは負けることだと考えている
・自分の方が正しいと考えている
・自分の評価を下げたくない
謝罪の言葉に加えて、相手を気遣う言葉を添えることができる人は「人への気遣いができる人」という安心感を与える。
・謝罪と気遣いが同時にできる人こそ、人との信頼関係を自然と醸成していける人である。