ツァイガルニク効果とは?
ツァイガルニク効果とは、人は達成できなかった事柄や、中断していることの方が、達成や完了したことよりも、強く印象に残るという心理現象のことです。
ツァイガルニク効果は、中断して続きの内容に興味を持たせる手法として主にマーケティングに応用されています。
例えば、
最初は無料で利用できるが途中から有料になるサービス。
テレビ番組で「続きは、CMのあとで」といったテロップ。
などです。
このツァイガルニク効果は、マーケティング以外でも、恋愛や仕事など、日常の様々な場面で見受けられます。
ツァイガルニク効果の具体例
仕事
仕事をしているときに、優先しなければならない別の仕事が急に回ってくることがあります。
ツァイガルニク効果により、「優先する仕事に取り組みながらも、中断した仕事が気になってしまう」
そのため、割り込んできた仕事を早く終わらせて、中断した元の仕事に取りかかろうとします。
結果、優先すべき仕事の効率があがります。
恋愛
恋愛では破局してしまったときが、ツァイガルニク効果の一例としてよく取り上げられます。
「相手に振られてしまったが、しばらくたっても相手のことが忘れられない」
振られてしまった人は恋愛が急に終わってしまった状態になるので、ツァイガルニク効果が発生します。
一方で、相手を振った人のなかでは恋愛が完了しているため、ツァイガルニク効果は発生しません。
テレビ・インターネット
テレビやインターネットでも、ツァイガルニク効果を狙ったケースが多く見られます。
テレビ番組で
「続きはCMのあとで」
というテロップを流す。
インターネットで
「つづきを読む場合はこちらをクリック」
と表示する。
これは「楽しんでいたコンテンツを中断されると続きが気になってしまう」という心理を応用したマーケティング戦略のひとつです。
観光
例えば
・旅行を計画していたのに天候が荒れ、旅行に行けなくなった。
・イベントに参加しようと思っていたのに、中止になってしまった。
このようなときに悔しさを感じて「次こそは楽しみたい」と再度訪れる人も少なくありません。
人をほめるときは、「ツァイガルニク効果」を使ってみよう
人をほめるというと、何か具体的なものを挙げてほめなければならないと考えがちです。
その人の能力、成果、あるいは人柄や外見といったものについて、できるだけ具体的に指摘してほめる、という話し方です。
そのほうが、より好意的に受け取ってもらえると考えがちです。
しかし、本当にそうでしょうか?
実際には、具体的な点を例示したために、かえって下品になったり、相手から誤解を受ける場合が少なくありません。
たとえば、女性をほめる場合
「きれいな指ですね。細くて、色白で、なめらかで」
などと、とくに身体的な特徴を細部にわたるようなほめ方は、下品な印象になってしまいます。
逆に、女性に嫌がられることでしょう。
こういう失敗をしないためには、「具体的に何か指摘してほめなければならない」という考えを捨て、もっと曖昧な表現でほめる方法をおすすめします。
たとえば
「あなたっていいなあ」といったほめ方です。
相手が
「私のどんなとこがいいの」と聞いてきたら、
「いや、なんとなく。あなたと一緒にいると、なんとなくいいなあ」
こういう言い方の方が相手の心を引き寄せます。
「私のどんなところがいいの?」と聞かれて、
「どこどこが魅力的」などと具体的に答えたら、そこで話が完結してしまいます。
むしろ、曖昧な表現で、話を未完了、未解決のままほったらかしにしておくほうが効果的です。(ツァイガルニク効果)
※人をやる気にさせる褒め方
本日のまとめ
ツァイガルニク効果とは、人は達成できなかった事柄や、中断していることの方が、達成や完了したことよりも、強く印象に残るという心理現象のことです。
人をほめるときには、具体的にほめなければならないと考えがちですが、時として、曖昧な表現で、話を未完了、未解決のままほったらかしにしておくほうが効果的な場合があります。