「ごめんなさい」「すみません」「失礼しました」「申し訳ございません」。あなたは人に謝罪するときに、どの言葉を使っていますか?
心から相手に謝罪する場面で、この4つの中で使っていい言葉は、実は1つしかありません。
もうお分かりだと思いますが、それは一番丁寧な表現である「申し訳ございません」です。
このように、使っていい言葉は1つしかありませんと言われれば、なんとなく雰囲気で、どれが一番かしこまっている表現なのか、どれがカジュアルな表現なのかは想像がつきます。
しかし、それぞれの言葉の違いをあまり理解している人は少なく、実際に謝罪する場面ですぐに「申し訳ございません」が出てくる人はそう多くはありません。
4つの謝罪の言葉の意味と使い方
ごめんなさい
【意味】
謝罪の気持ちに加え、「免じて」と許しを請う気持ちを含む言葉。
【使い方】
上司や目上の人に使うのは不適切。
上司に対して
×「書類の提出が遅れてしまい、ごめんなさい」
すみません
【意味】
自分が悪いことをしたというより、特に悪気が無く不可抗力で起きてしまった、という気持ちを含む言葉。
【使い方】
混雑した車内で、人にぶつかってしまったとき
○「あっ、すみません」
失礼いたしました
相手に礼儀を欠いたことに対して、お詫びと許しを得る気持ちを表現する言葉。
挨拶や連絡が遅れたときに
○「連絡が遅くなりまして、失礼いたしました」
申し訳ございません
申し訳ない。弁解の余地がなく、相手にすまないと詫びる言葉。
○「この度は、ご迷惑をおかけいたしまして、大変申し訳ございませんでした」
この意味の違いを知っておけば、謝罪の場面において、相手を不愉快にすることはないでしょう。
謝罪するときのポイント
「誰に」「何を」を明確にする
人に謝罪をするときに「申し訳ございません」という言葉を言うことは大切です。
しかし、この「申し訳ございません」という言葉だけで、相手に100%の気持ちは伝わるでしょうか?
相手に謝罪の気持ちを伝えるには、必ず「誰に」対して、「何を」謝罪しているのかを同時に伝えるべきです。
たとえば、
「〇〇さんが、せっかくアドバイスをしてくださったのに、それを活かすことができず、申し訳ございませんでした」
というように、「誰に」「何を」謝罪しているのかを明確に伝えます。
すると「とりあえず謝ればいい」という、その場しのぎの謝罪には聞こえなくなるのです。
お客様からのクレーム
客 「商品が壊れていた」
店員「申し訳ございません」
客 「これじゃあ、使えないわ」
店員「申し訳ございません」
客 「こんなの送ってくるなんて酷いじゃない」
店員「申し訳ございません」
客 「申し訳ない、申し訳ないって言うけど、いったい何に対して謝っているの!?」
このように、「申し訳ございません」のみを繰り返すと、「もうこれ以上何か言われたくないから、とりあえず謝っている」
と思われてしまう可能性があります。
あなたが心から謝っていたとしても、その場しのぎの謝罪に見えてしまうのは、あまりにも残念です。
「今後どうするか」を明言する
謝罪においては、「誰に」「何を」謝罪するのかに加えて、最後に必ず「今後どうするのか」という改善策を自ら名言することが重要です。
その部分があってはじめて、「相手への誠意」「心からの反省」という気持ちが表現できます。
「〇〇さんがせっかくアドバイスをくださったのに、それを活かすことができず、申し訳ございませんでした。〇〇さんのくださったアドバイスで不明な点があったら、その場でしっかりと質問をし、どのような小さいことでも報連相を徹底し、次に活かしてまいります」
といったように、自ら改善策を考え、相手に伝えます。
自分で考え、自分の言葉で明言しているので、自分とも相手とも約束をすることができます。
※心のこもった謝罪の仕方について詳しくは
本日のポイント
4つの謝罪の言葉
「ごめんなさい」「すみません」「失礼いたしました」「申し訳ございません」
それぞれ意味が異なるため、相手との関係や状況により使い分けが必要となる。
そのためには、それぞれの言葉の意味を知ろう。
謝罪のポイント
・「誰に」「何を」を明確にすること。
・今後どうするかを明確にすること。
この2点を伝えることで、「相手への誠意」、「心からの反省」という気持ちが伝わります。