人は得てして自分をよく見せようとします。
自分の短所や弱い部分をすすんで明かす人は少ないのではないでしょうか。口にするのは大体、長所や成功談です。
しかし、人から好感を持たれるきっかけは、「失敗談」であることが往々にあります。
その理由は?
他人の失敗談を聞いた時、私たちは安心感を覚えるからです。
「人生は上手くいかない」
こう感じることは誰にでもありますよね。
人の失敗談を聞くと、 それが自分一人ではないことに安堵することができます。
逆に成功談は、テレビでもネットでも、星の数ほど転がっています。
「人生に苦しんでいるのは自分一人ではなない」
と、知って不安感を取り除くことができるのは、同じように生活している誰かの「失敗談」なのです。
人生で成功し続けている人は、ほとんどいません。
人生は思い通りにならないことも、たくさんあります。
だからこそ、失敗談は人から共感をしてもらいやすいのです。
※共感についてはコチラの記事を参考にしてください。
失敗談がもたらす効果
人から自慢話を聞かされた側は、表向きは良い反応をするかもしれませんが、実のところ嫉妬や反感を持つことの方が、多いのではないでしょうか。
かたや失敗談は、より親しい人間関係を築くキッカケになることがあります。
過去の傷を人に見せるということは、弱みをにぎられる可能性もあるため、カミングアウトするのは怖いものです。
失敗談を話すと、
「自分の評価が下がるのではないか?」
と不安に思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、大丈夫です。心配いりません。それどころか、人は失敗談をさらけ出すことができるあなたに、大きな安心感を覚えます。
そして、その失敗を受け入れてくれたり、共感してくれたり、笑いに変えてくれる相手ならば、その人とはきっと良好な関係を築けるはずです。
失敗談をつかった会話例
親しい関係になりたいとき
「先日、クッキーを焼こうとして、オーブンから出したら、犬のフンみたいに、コロコロになってしまったのよ。才能ないわ~」
「あはは。本当ですか!料理が得意な○○さんが、そんな失敗するなんて…。私もよく失敗しちゃうんですよ…。その気持ちわかります!」
失敗談を話して、相手から笑いや共感を得ることができれば、二人の距離がグッと縮まります。
上司が部下に対して注意を与えるとき
上司)「ここの計算が間違っている。どういう計算の仕方をしたんだ。すぐに直すように!」
このように、高圧的に注意をすると、相手は頭が真っ白になり、萎縮するだけです。
そこで、穏やかな表情で、自分の失敗談から話し始めてみてはいかがでしょうか?
上司)「ここの計算が間違っている。私も君と同じぐらいのとき、よく間違えたものだ。私の間違いに比べれば、君のはたいしたことない。どうだろう?このように計算してみれば」
人に注意を与える場合、
「自分は決して完全ではなく、失敗も多いが‥」
と、前置きすることで、相手は親近感が湧き、それほど不愉快な思いをせずに、自分の間違いを認めることができます。
※人から好かれる方法については、コチラの記事を参考にしてください。
※伝え方についてはコチラの記事を参考にしてください。
本日のまとめ
自分の失敗談を人に話すことは、とても勇気のいることです。しかし、人生は成功ばかりではありません。
誰しも多かれ少なかれ失敗をしています。 だからこそ、失敗談は、人から共感されやすいのです。
失敗談は、人に安心感を与え、リラックスさせる効果があります。良い会話は、リラックスした雰囲気から生まれるものです。
◎仲良くなりたい相手と会話をするときに
・失敗を受け入れてくれる人、笑ってくれる人とは、良好な関係を築ける可能性が高いです。
◎上司が部下に注意を与えるときに
・自分もよく失敗をすると伝えることで、部下は親近感が湧き、注意を受け入れやすくなります。
◎ 日頃から、自分が失敗したことを記録しておきましょう。そうすれば、最強のネタ帳が完成します。