「面白い人」よりも、ずっと相手の記憶に残って、しかも「また会いたい」と感じさせる話し方があります。
それは、「相手の人」そのものを話題にして話をすること(相手を主人公にして話すこと)です。
さほど話がうまくなくても、内容が面白くなくても、これだけで相手は満足します。
ポイントは相手に対して日頃から感じていることを話すことです。
例えば
「暑さに強いよね。前も真夏に倉庫で一日中仕事してたけど、平気な顔だったよね」
「毎日お弁当をつくっているなんて、素晴らしいですね」
「体力ありますよね。新宿から自宅まで歩いて帰ったのでしょ」
何でもない言葉ですが、こんなふうに相手のことに話を向ければ、相手はとてもいい気分で自然に話をはじめてくれます。
相手を主人公にして話すコツ
感じたことを口に出してみる
初対面の人と話す時、ほとんどの人が仕事のことや住んでいる地域のことなど、当たり障りのないことを話題にしがちです。
しかし、それだけではあなたに対して親しみの感情は湧きにくいものです。
一方で、相手のちょっとした振る舞いについて話題にしてみます。
相手にとっては自分が主人公で話が進みますから、あなたに対してグッと親近感を持ってくれるはず。
中でも、最も実践しやすいのは、相手の外見をよく見ることです。
「もう半袖ですか! お若いですね」
「背筋がピンと伸びていらっしゃいますね。何かスポーツでもされていたのですか?」
このように、相手自身のことについて触れることで、相手も自然と話をはじめてくれることでしょう。
小さな気づきを伝える
話題にするのは、特別なことではなくても、小さいことで十分です。
例えば
「○○さんは、いつもデスク回りがきれいに整理されていて、人柄が伝わってくる」
「○○さんがいると、その場がほっこりする」
「○○さんは、いつも美味しそうに食べますよね」
など、何でもなさそうなことに気づいて会話のきっかけにします。
自分の何気ない行ないに「温かいまなざし」が向けられていると気づいた相手は、きっとうれしくなり、お互いの心の距離もとても近くなります。
相手を主人公にして話す方法
まずは、失敗例です。
Aさん)「休みの日は、家電製品を見て回るのが大好きです」
Bさん)×「そういえば、駅前にヨドバシカメラができましたよね。もう行きましたか?」
Aさん)「はい。行きましたが、人が多くて、ゆっくりとできませんでした」
お気づきかもしれませんが、Bさんの対応が上手くありません。
なぜかというと、
Aさんは、
「家電製品を見て回るのが好き」と言っているのに対して、
Bさんは、
「ヨドバシカメラ」を主人公にして話を始めたからです。
これでは、会話は長続きせずに、途切れてしまいます。
相手が持ち出した話題について、自分も話すものと思い込んでいると、こういう失敗をしてしまいます。
それでは、相手を主人公にする話し方にするにはどうしたらよいでしょうか?
ポイントは、相手が持ち出してきた話題について
「あなたは~ですか?」と質問することです。
家電製品を見て歩くのが好きなAさんを「主人公」にした質問をしてみます。
(Bさん)「家電製品を見て回るのって、楽しいのでしょうね。(あなたは、)家電製品を見ているときは、どんなことを考えているのですか?」
このように質問をすることで、Aさんは自分が主人公になるため、イメージが湧きやすく、話したいことが次々に出てきます。
上記以外にも、
例えば
映画好きな人に対して
「月に何回ぐらい観にいくの?」「どこの映画館に行くの?」という話は早々に切り上げて、
「(あなたは、)待ちに待った映画が公開されたときって、どんな気持ちですか?」
ランニングが趣味な人に対して
「何キロ走った?」「どこを走った?」という話だけでなく、
「(あなたは、)思い通りに走れたときは、どんな気持ちですか?」
このように「あなたは~ですか?」と質問することで、相手を主人公にして、どんどん話をしてもらいましょう。
※嫌われてしまう話し方については
本日のまとめ
相手の記憶に残るような会話をするには、「相手の人」そのものを話題にして話をすること(相手を主人公にして話すこと)が重要。
相手を主人公にして話すコツ
・感じたことを口に出してみる
・小さな気づきを伝える
相手を主人公にして話す方法
・「あなたは~ですか?」と質問する