人の「長所」と「短所」は、同じコインの表と裏に例えることができます。
誰かがくり返し「Aさんは無神経」と言えば、Aさんが不快な人に見えてくる。
「Aさんは大らか」と言えば、たちまち逆になる。
極端な性格でない限り、人の評価などその程度なものです。
プラスの人物評価を口にすると、言われた相手はどんどんプラス面を発揮し始めます。
逆にマイナスの人物評価は、相手を見下していることになります。
そのため、人間関係は悪化の一途を辿ることになります。
人を見下す人の特徴
すぐに他人と比較して優劣をつける
人のマイナス面ばかりを指摘してくる人は、自分は自分、他人は他人という価値観がなく、自分の軸が無いゆえに人と比べてしまうことが挙げられます。
自分より下を見て安心しようとして、見下してくる場合が多いです。
このタイプの人は、優劣をつけようとして自分の優れた点を誇示してマウンティングしてきます。
自分の良い点ばかりを誇示してくるため、心を強く持たないとどうしても流されてしまいがちですが、意外と繊細で言い返すと大人しくなるタイプでもあります。
自分が常に正しいと思い込んでいる
このタイプの人は、自分が常に正しいと思っているので、他人の発言中に割り込んだり、友人同士で遊んでいても自分の我を通します。
そして、自分の考えに当てはまらない人間を見下します。
自分の経験が全てで、他人の経験や知見を軽んじるので、周りから見ると知ったかぶりして首を突っ込んでいるようにしか見えません。
他人の揚げ足をとる
人のネガティブな部分ばかり見ている人は、いちいち他人の発言の矛盾を突き付けたり、揚げ足を取ってきます。
他人の悪いところばかりを見ているので、他人には更に揚げ足をとったり発言を否定してみたり、ひどい場合には人格まで否定してくることでしょう。
普通は他人も良いところがある、と思っていたり、感謝すべき点があると考えたりするものです。
しかし、他人の悪いところばかりを見つける人は、人への感謝が薄いので他人のネガティブな箇所ばかり気になり、結果的に見下す行為に結びついてしまうのです。
短所は長所に言いかえる
性格には、短所と長所というものがあります。そのため、身近な人の性格的な短所に不満を覚えることがあるかもしれません。
しかし、短所と長所は表裏一体で、短所が長所になることもあるのです。
それなのに、不満をネガティブな言葉で直接相手にぶつけてしまったら、人間関係が悪化することになります。
決められない性格の人に対して
ある女性の夫は、優柔不断なところがあるといいます。
ものごとを決断できず、いつまでもグズグズと悩み続けることが多いのです。
そんな性格に、彼女は不満を感じ、ついイライラして、
×「本当に優柔不断な性格ね」
×「決められない性格、どうにかならない?」
といった言い方で、不満をぶつけることもあるようです。
結果、夫との関係が悪くなる一方だといいます。
自分の性格を非難されることは、誰にとっても心地いいものではありません。
相手の性格について直してもらいたい点があっても、まずは相手の性格をポジティブに受け入れる言い方をするのが賢明です。
○「あなたはものごとを深く考えるタイプ。だから失敗が少ない。一緒にいると安心できるの」
といった言い方で、相手の性格を肯定してあげたうえで、
○「ところで、この件、どうしようか?」
と、決断をうながすのがいいと思います。
自分の性格を否定されると、相手はいっそう自分の殻に閉じこもってしまいます。
優柔不断な人は、ますます優柔不断になっていきがちなのです。
まずは相手の性格をポジティブに肯定することが大切です。
※優柔不断な人についてはコチラの記事を参考にしてください。
控えめで目立たない人に対して
職場の部下や後輩に、かなり控えめな人がいるかもしれません。
仕事はしっかりしてくれているのですが、積極的に意見を言ったり、企画を立てたりすることは、あまりないのです。
上の立場にとっては、もどかしく感じられる存在でしょう。
そのために、時には、こんな言い方をしてしまうことがあります。
×「もっと主張してほしい」
×「個性を出してくれないかなあ」
×「やる気を見せてよ」
しかし、このようなことを言われると、相手は傷ついてしまうのではないでしょうか。
場合によっては、ショックを受けて、やる気を失うこともあるでしょう。
相手の性格について何か言う時には、言い方に注意したほうがいいです。
自分の性格について、コンプレックスを持っている人もいます。
そのコンプレックスを刺激しないような言い方をする工夫が必要です。
たとえば、次のように言いかえることもできます。
○「縁の下の力持ちタイプだ」
○「あなたのように黙々と仕事をしてくれる人がいるから、組織がスムーズに動くんだと思う。ありがとう」
○「いつも冷静だね」
コツは、話の途中にさりげなく言うことです。 控えめな人は、表だってほめられるのがあまり好きではないことが多いためです。
しかし、内心では認めてもらいたいので、タイミングよく感謝の言葉を発することで、素直に「認められている。がんばっていこう」と思ってもらうことができるはずです。
本日のまとめ
相手を見下す人の特徴
・すぐに他人と比較して優劣をつけようとする
・自分が常に正しいと思い込んでいる
・他人の揚げ足をとる
短所は長所に言いかえる
短所と長所は表裏一体で、短所が長所になることもある。
不満をネガティブな言葉で直接相手にぶつけてしまったら、人間関係が悪化することになる。
したがって、相手の短所は、長所と受け入れて、ポジティブな言い方をする。