えっ、そんなことで? そうです、あなたが軽い気持ちで口から出したその言葉で、上司が傷ついてしまっている、なんてことは普通にあります。
いつも威張っている上司の心は意外と繊細なんです。
では、いったいどんな言葉で上司を傷つけてしまったのか。
これを参考に、上司を傷つけないためにも、上司の繊細な心に響く「素敵な言葉」を使って、円滑なコミュニケーションを心がけていきましょう。
上司を傷つけてしまう言葉
「そんなことやって、何か意味があるんですか」
上司が示す方針に首を傾げたくなる場合も、職場では実際にあるでしょう。
そんなときに、こんな言葉を上司にぶつける人もいるようです。その後に、
「時間と予算の無駄になるだけじゃありませんか」
と続きます。
腹蔵のない人柄なのでしょうが、時に「思っていることをそのまま口に出すと、人の心を傷つける」と覚えておくのがいいでしょう。
上司の命令に異議申し立てをするときには対案を出す、というのがビジネスの現場でのやり方のようにも思います。
○「課長、こういう方策でやってみる、という考えもあると思いますが」
という話し方のほうが、お互いに生産的でしょう。
「口でいうのは簡単なんですけどね」
「こうすれば簡単じゃないか。そうだろう」という上司に口答えするときに、部下がよく口にするセリフです。
さらに
×「課長は現場の実情がわかってないんですよ」
とつけ加える人もいます。
確かに「現場の実情」を知らずに理屈を押しつけてくる上司もいるでしょう。
しかし、「口でいうのは~」といった話し方をすると、上司との人間関係に感情的なシコリを残すだけです。
これは懇切丁寧に現場はそう簡単ではないという事実を説明するしかありません。
あるいは、
○「一度、現場の実情を見てもらえませんか」
と頼んでみてはいかがですか。
不満をストレートに口に出すのはよくありません。
「自己責任です。甘えないでくださいよ」
自己責任と言う言葉が最近乱用されているように思います。
確かに自分が起こした問題は自分で解決するのが人として美徳なのかもしれませんが、自分の力だけではどうにもできないケースもあります。
そのときは頭を下げなければなりませんが、「自己責任」の言葉を浴びさせられます。
この言葉を発する人は、あんがい「気軽に」なのかもしれません。けれども受け取る人には、冷たい響きとなって届きます。
その冷たさに心は折れます。自分がダメ人間に思えてきて、大いに傷つきます。
自分がいわれたらどう思うか、と想像してみてください。
「自己責任」といった、人を突き放すような言葉はうまくありません。
原因はどこにあるのか、どう対処するするかなどの実践的なアドバイスのほうが、「温かみ」が伝わります。
「そういう事じゃなくて」
会社での会話。全てが仕事の話かと言えば、そうじゃない時ももちろんあります。
プライベートの話などをした時に感じる、上司との年齢差。
考え方の違いや、流行りのものの話、最近ハマっているものなど、話し出したらきりがないほど、年齢によって興味のある話題は違うものです。
その違いを楽しむタイプの上司もいれば、逆に無理に若い子と同じ土俵に立とうと頑張ってしまう上司もいます。
そんな若い子の話に一緒になって参加しようとする上司も、結局は分からない事やついていけない話が、1つや2つ出てきてしまうのが現実です。
特にパソコン関係やスマホの類の話については顕著で、全く見当違いの事を話しだす時さえあります。
そんな時、上司に対して、
×「・・・いや、そういう事じゃなくて・・・」
と困惑顔で全面否定するのではなく、
○「あぁ、そういう対処もありますよね」
と一度受け入れてあげましょう。
一度受け入れられれば、発案者はまるでその話にきちんと参加できているように感じ、その後、対して意味の分かっていない話について無理に意見を言ってこようとすることもなくなります。
そうして、上司の意見を1度受け入れた後、
○「後、こういうやり方もあるよね?」
と話のわかるもの同士で話を進めていけばいいのです。
結局、上司の提案が採用されていなくても結果は結果。議論に参加できたという事実を作ってあげましょう。
本日のまとめ
上司を傷つけてしまう言葉
・「そんなことやって、何か意味があるんですか」
上司の命令に異議申し立てをするときには対案を出すのが基本。
・「口でいうのは簡単なんですけどね」
「口でいうのは~」といった話し方をすると、上司との人間関係に感情的なシコリを残すだけ。
・「自己責任です。甘えないでくださいよ」
受け取る人には、冷たい響きとなって届く。その冷たさに心は折れ、自分がダメ人間に思えてくる。
・「そういう事じゃなくて」
「・・・いや、そういう事じゃなくて・・・」と困惑顔で全面否定するのではなく、
「あぁ、そういう対処もありますよね。」と一度受け入れよう。
※部下を傷つけてしまう上司の言葉について、詳しく解説しています。