ほっとする人になろう
「課長、今日は機嫌が悪そうよ」と、職場の同僚同士でささやきあう。
「今日のママね、イライラしているの」と、父親が娘から忠告を受ける。
これは人間関係における「警戒警報」です。
そんな機嫌が悪い人、イライラしている人に安易に話しかけると、ひどい言葉で言い返されて嫌な思いをすることになるから注意が必要、というわけです。
この警報を聞いた人が、自分の周りから静かに離れていく‥そんな状況は、「課長」も「ママ」もとても辛いのではないでしょうか。
「穏やかな話し方」「ほっとする話し方」ができてこそ、課長やママの周りに人が集まり、みんなが和やかにつきあっていけます。
そのためには、自分自身がイライラしない技術を身につけておくことが大切になってきます。
その方法としては、次のようなものが知られています。
○計画‥問題を明確にして、その原因を探り、複数の解決策を実行する、という理性的な対処法。
○発散・解消‥他人への八つ当たりや、わざと人に迷惑がかかることをするなど、感情的な対処法。
○リラクゼーション‥ブレイクタイムを作ったり、深呼吸や瞑想で気持ちを落ち着かせる、という生産的対処法。
○社会的支援‥信頼している人に相談したり、あるいはカウンセラーに話を聞いてもらう、という支援的対処法。
○隔離‥日頃からストレスになる状況を作らないように配慮しておく、という先手先手の対処法。
いい大人が、このうちの「発散・解消」、つまり他人への八つ当たりしかストレスへの対処法がないのは、ちょっと情けない気がします。
とくに職場の上司といった責任のある人がこれをやると、部下からの信望を失ってチームの離散を招くだけでしょう。
生きている限り、ストレスは避けては通れません。「八つ当たり」訴えることなく上手に処理していける人は、周りの人に安心感を与えられる人です。
「ほっとする話し方」を習得するためには、ご自身がまず「ほっとする」ことが重要です。
・問題の解決策が見つかれば、ほっとする
・ひとつ深呼吸するだけでも、ほっとする
・「あの人に相談してみよう」という人がいるだけで、ほっとする
・事前に「こういう問題が起こりそうだ」と予測できるだけで、ほっとする
自分の内面を見つめながら、ふだんから「ほっとする」ことを心がけている人は、ほっとする話し方ができる人です。
もちろん、「警戒警報」を鳴らされることもなく、周りに人が集まってきます。
それでは、次にほっとする人の特徴についてみていきます。
安心感を与える人の特徴
優しい笑顔
ほっとする人の特徴に、優しい笑顔であることが挙げられます。
明るい性格で楽しいトーク展開をして、いつもニコニコ笑顔が素敵な人物。こういう人とは、一緒にいるだけ落ち着きます。
一方、悪口や暴言を吐き、常にイライラして、不機嫌そうな表情や、めんどくさそうな表情を見せるような人はどうでしょうか?
ほっとする人とはかけ離れている存在でしょう。
周りの人が気を使わずに済むような、優しい笑顔をしていることはほっとする最大の特徴と言えます。
聞き上手
ほっとする人の特徴には、聞き上手なことが挙げられます。
ほっとする人というのは、周りが「落ち着ける、安心できる」人のことです。
安心感をできる人というのは、こちら側の意見を無条件に受け入れてくれる、さらにその意見に対して批判をすることがないといった特長を持っています。
逆にこちら側が話をしているのに、話の合間に茶々を入れてくるような人だとどうでしょうか。
「この人に話しても意味がない、無駄だからもう話すのはやめよう」と思うになるでしょう。
そのような態度の人に話をしていると落ち着いて会話をすることもできないはずです。
ほっとする人は、話を上手に聞いてくれる、聞き上手な人と言えるでしょう。
裏表がない
八方美人という言葉がありますが、「どこでもよい顔をする」「人によって態度を変える」という人は安心できません。
態度がコロコロ変わる姿を見ていると
「自分の前ではいい顔をしているけれど、優しいそぶりをしているけれども、ほかの人と話しているときにこちら側の悪口を言っているかもしれない」
というような不安を感じるものです。
そのような人は、裏表があるため一緒にいても本質が見えてこないので疲れてしまいます。
一方で、裏表がない人は、誰と接する時も同じテンション、元気がある、明るい人です。
このように良い意味でギャップを感じさせない人物というのは一緒にいてほっとする人になります。
裏表ない人は心理的に丸裸であり、私はあなたに危害を加えない!と伝わってくるため一緒にいて落ち着くでしょう。
本日のまとめ
ほっとする人になるには、まずは自分自身がイライラしない、機嫌を悪くしないこと。
安心感を与える人の特徴
・優しい笑顔
・聞き上手
・裏表がない