職場には、ときに攻撃的な態度や行動を見せる上司や同僚がいます。
大声で部下を怒鳴る上司、注意するとあからさまに嫌な顔をして文句を言ってくる後輩-。
自分の攻撃欲求を隠さないタイプの人たちにどのように対処すればよいのでしょうか?
こうした状況は、不安やストレスを引き起こすだけでなく、チームの雰囲気や生産性にも悪影響を及ぼす可能性があります。
しかし、適切なアプローチを持つことで、これらの攻撃的な人々ともコミュニケーションを円滑にし、建設的な関係を築くことができるのです。
この記事では、扱いにくい攻撃的な上司や同僚との向き合い方について、具体的なアドバイスを紹介します。
自己主張の方法、コミュニケーションのスキル、適切な境界設定など、実際のシナリオを通じて理解していきましょう。
Case1:わざとのけものにする上司
優秀な部下をあえて重要なプロジェクトから外す、伝達事項を伝えないように周りに指示してのけ者にする…
自信がない人間ほど、優秀な人を前にすると、能力を引き出すどころか、チャンスを取り上げて「無価値化」することで、自分の立場を守ろうとします。
目的は、将来、自分の存在を脅かす芽を早いうちに摘んでしまうことです。
対処法:一歩引いた目で見る
自分の能力を誇示したり、「なぜ外されているのですか?」と直談判したりすることは、かえって相手のコンプレックスを刺激してしまいます。
その上司から信頼を得ている人で、話ができそうな人に相談してみましょう。
防御の言葉
別の同僚や先輩に
○「チームから外されているのが辛いです」
と相談してみましょう。
理不尽なイジメを快く思わない人も多いはずです。
観察して、味方になってくれそうな人を探し、「メンバーになれないのがつらい」と相談してみましょう。
そのときに、上司の悪口は絶対に言わないようにします。
Case2:怒鳴る上司
「なぜ俺が言った通りにしなかったんだ!」「こんなこともできないなんて、やる気あるのか!」
自分の思い通りにいかないと、周りに聞こえるような大声を出して部下を怒鳴りつける上司がいます。
自分のストレスや仕事のプレッシャーなどのはけ口として、自分よりも弱い部下たちに無理難題を押しつけて憂さ晴らしをしています。
対処法:交渉上手になること
怒鳴れば相手は従うと考える、精神的に幼稚なタイプです。
否定されることを嫌うので、一度意見を受け止めつつ代案を出すなど、交渉上手になりましょう。
ただし、パワハラに最もつながりやすいケースです。あまりにも恐怖を感じるなら、信頼できる人に相談しましょう。
防御の言葉
○「やり直しの指示は理解しましたが、明日15時までお時間をいただきます」
いったん意見に理解を示して相手を認めつつ、条件を提示します。「すべてに従うわけではない」という姿勢を示します。
Case3:口ごたえばかりの後輩
注意されて機嫌が悪くなるのが受動的な攻撃なら、口ごたえしたり、自分の非を決して認めなかったりするのが能動的な攻撃です。
特に甘やかされて育った人に多いです。自分はできる人間だと勘違いしたまま大人になったため、上司や先輩から注意されても、自分の意見の方が優れているとばかり抵抗するのです。
対処法:厳しい環境に置いてみる
口ごたえする人、自分の非を認めない人は、幼児的な万能感を引きずっています。厳しい状態に置き、身のほどを思い知らせるのも有効な手段です。
こっそり予防策をとりながら、あえて失敗させるのも一つの手です。
防御の言葉
○「本当にやれるのか1人でやってみる?ただし、責任はすべて自分だよ」
万能感を持った部下の価値観を崩すには、いったん厳しい環境を与えてみます。「あなたの責任で」と、責任の所在もはっきりさせておきましょう。
他人を攻撃する人から身を守る方法
観察をする
攻撃的な人は恐怖を抱いていることが多いものです。
その人が何に恐れを抱いているのかを客観的に観察することで、隠しがっている「弱み」が見えてきます。
それにより、攻撃してくる相手に対する恐怖も和らぎます。
「分かってくれる」と思わない
話し合えば理解してくれる、思いは伝わるなどと思わないことです。
攻撃欲を抑えられない相手を変えることは困難です。世の中には話の通じない相手もいると割り切って考えることも必要です。
明確にする
後から責任転嫁するような人には、「〇〇さんの正式な指示と受け取っていいですね」などと言うようにしましょう。
「~らしい」と惑わしてくる人には、「根拠は?」と聞くなど、曖昧な部分をなくしていきましょう。
できるだけ避ける
最小限の会話だけするようにしましょう。ランチの誘いに乗らない程度でも構いません。できるだけ避けて過ごしましょう。
パワハラ上司など、どうしても難しい場合は、異動を申し出るという選択肢も考えましょう。
「ちょっとだけ」やり返す
すべて相手の言う通りにしていては、攻撃が悪化する可能性があります。
明らかに自分に正当性があるときは、論理的に言い返してみるのも有効です。いざというときには反撃してくる人と思わせ、相手をけん制します。
いい人に見られようと思わない
「いい人に見られたい」と思っていると、嫌なことをされても許したり、衝突を避けて自分が折れたりしてしまいます。
苦手な人に好かれなくてもいいと割り切り、スルーする力を身につけましょう。
本日のまとめ
他人を攻撃する人から身を守る方法
・観察をする
・「分かってくれる」と思わない
・できるだけ避ける
・「ちょっとだけ」やり返す
・いい人に見られようと思わない