普段、何気なく使っている言葉ですが、実は多くの人が間違って理解している「誤用」は意外と多いものです。
誤用に対しては、許容する人もいれば、
「あんな言葉づかいでは、仕事の能力自体が疑われる」
と厳しく決めつける人もいます。
特に、若者言葉や曖昧な言葉は、フォーマルな場で使わないのがルールです。
言葉選びは自分が使いやすいかどうかではなく、相手の価値観に合わせるものなのです。
使い方に注意したい言い回し3選
相手に合わせて言葉を選ぼう!
人間関係には、使い方によって受け止められ方が極端に変わる、曖昧な言葉というのがあります。
たとえば、久しぶりの再会を喜ぶ挨拶として定番の、
「お変わりありませんね」
という言葉も、相手によっては悪い印象を与えかねないので、注意が必要です。
年長者が若い人に再会したとき、
「昔とちっとも変わらないね」などと言うのは賢明ではないでしょう。
「それは私が、全然成長していないってことか」と受け取ってしまう人も、中にはいるかもしれません。
したがって、言い方を変えて、次のようにほめるのがいいでしょう。
「立派になったね」
「充実しているみたいだね」
若い人にとって、自分の成長をほめてもらうことは、とてもうれしいものです。
ですから、若い人と再会した時は、相手の成長をほめるのが、人間関係をよくする挨拶になります。
一方、自分より年配の人と再会したときに「お変わりありませんね」と挨拶するのは、相手をほめる、いい言葉になるでしょう。
「年齢を重ねてもお元気ですね」
「いつまでも、お若いですね。うらやましい」
という意味を表しているからです。
ただし、単に「お変わりありませんね」と言うよりも、
「相変わらず元気でご活躍ですね」
といったひと言を加えるほうが、より好感度を増す挨拶になると思います。
フォーマルな場では若者言葉はNG!
自分の考えをいう時に、「私的には」「僕的には」という言葉を使う人がいます。
「私的には、いいと思います」
「僕的には、それに賛成だな」
といった言い方です。
「まわりの人たちの了解は得ていないが、自分としてはこう思っている」という意味なのでしょう。
この「自分としては」を「私的には」「僕的には」に言いかえているのです。
特に、若い人たちが、友人同士などのプライベートな会話で、このような言い方をする場合が多いようです。
仲間内でこのような言い方をするのは、悪いことではありません。
しかし、会社などオフィシャルな場では、「私的には」「僕的には」という言い方をしないほうが好印象を持たれるでしょう。
同僚同士の会話など、多少くだけた場であれば、
「僕的には、その意見に賛成です」
と言ってもいいでしょう。
しかし、オフィシャルな場合では、
「個人的には、そうだと思います」
「私は、いいと思います」
と言うほうが、常識的で、その場にふさわしい言い方になります。
「若者言葉」は、それを使うときの状況を考えないと、「社会人としての常識がない」と見なされてしまいます。
それを知りながら、ポロっと口にしてしまうこともあるので注意が必要です。
ビジネスの場では、曖昧な言い方は避ける!
会社の同僚から、「こんな企画があるんだけど、一緒にやってみない?」などと提案された時に
「うーん。微妙」
といった返事をする人がいます。
この微妙は「やれるかどうかわからない」「どちらかというとやりたくない」ということなのでしょう。
こういう曖昧な言い方は、ビジネスの場ではあまり印象がよくありません。
というのも、微妙という言い方には「時間や他の仕事などの物理的な理由によって、やれるかどうかわからない」のではなく、
「その企画にはあまり興味が無い」
「専門外なのでついていけないかもしれない」
という意味が含まれている場合が多いからです。
しかし、それをはっきり言ってしまうと、相手を傷つけることになりそうだし、自分もバカにされるのではないかと怖れて、「微妙」といった言い方になるのです。
あいまいな返事は相手によけいな誤解を与えたり、相手を不愉快な気持ちにさせることになりかねません。
「やりたくいない」ということであっても、その理由をちゃんと説明しておくべきです。
〇「ありがとう。でもその企画には今ひとつ興味がわかないんだ」
〇「専門知識がないので、今回は遠慮しとくよ」
といった言い方です。
理由を説明すれば、あいまいな返事から起こる誤解を防げるでしょう。相手を不愉快にさせてしまうことも少なくなります。