セミナーや勉強会後に、立食パーティーが開催されるケースがあります。
しかし、このパーティーを「楽しみにしている」という話はあまり耳にしません。
楽しみどころか、ストレスに感じ、「仕事でなければ、適当な理由を作って逃げたい」という人もいるでしょう。
それもそのはずです。プライベートな集まりならともかく、仕事上の「社交」で出席する場合は、会場に知り合いがゼロということもあります。
多くの日本人は初対面の人と話すことに対して、苦手意識を持っています。
会場で壁に張りついたまま、1人で手持ち無沙汰な時間を過ごすのはつらいですよね。
実はこうしたパーティーには、パーティー用の「コミュニケーション術」というものがあります。
それさえ覚えておけば、単身で乗り込んでもストレスはグッと軽減されるはずです。
パーティー会場でのコミュニケーション術
「寿司コーナー」が狙い目
パーティーに出席する目的は、「主催者への義理を果たす」ことに加え、「普段合わない人と交流する」こと、さらに「人脈作り」といったところでしょう。
だからといって、無理やり積極的になる必要はありません。一言も発せずに帰るのは寂しいですが、誰彼構わず話しかける必要もないのです。
それよりも、「誰か1人と話ができればいい」くらいに気楽に構えることが大切です。
狙い目は、同じく壁際でポツンと1人で寂しそうにしている人です。
孤独な人同士が仲良くなるというのは、学校の教室でもよくあることです。
さり気なく近づいて、
「ずいぶん盛大なパーティーですね」
「どういう関係で出席されているんですか」
「こういう場はなかなか慣れなくて…」
などと声をかけてみます。
わざとらしさは否めませんが、これがパーティーにおけるコミュニケーションというものです。
アルコールの力を借りつつ、「パーティーは恥のかき捨て」の精神で臨んでみましょう。
あるいは、料理を選んでいる最中の人に声をかける手もあります。こういう時、人は無防備になるからです。
特にその場で調理してくれるような大規模なパーティーの場合、「出来立て」を待つという、いささかマヌケな「空白時間」が存在します。
その瞬間こそチャンスです。料理という絶好の話題もあります。たまたま横にいる人に、
「おいしそうですね」
「待ち遠しいですね」
と話しかける敷居は、決して高くないはずです。
ちなみに、パーティーで多くの人が集まり、無防備になりやすいのは寿司のコーナーです。
「エビでタイ」ではなく「寿司で人を釣れ」と覚えておいて損はないと思います。
ここで二言、三言と会話が続くようなら、そのままずっと話し続けるもよいですし、適当に挨拶して次の「ぽつんと立っている人」を探すもよいでしょう。
いずれにせよ、第1関門はクリアしたと考えてOKです。
人間観察を楽しむ
一方、会場に知り合いがいたり、複数の仲間とともに出席したりする場合には、このハードルは大きく下がります。
そのうちの誰かが仲介者となって、知らない人同士を引き合わせるのがパーティーのルールだからです。
それをきっかけとして、紹介された相手に自分の知り合いを紹介したり、あるいは紹介されたりすることで、話し相手の輪が広がっていきます。
しかし、現実に、これを実践している人は少ないようです。むしろ仲間内だけで固まり、他の人と接触しようとしない一群をよく目にします。
これなら自分たちだけで飲みに行けばいいわけで、わざわざパーティーに出席する必要はありません。
単身で出席した方が、よほど得られるものは大きいでしょう。
実際、パーティーは、日常の仕事で必要な「コミュニケーション力」を鍛える場になります。
初めて合う相手をできるだけ早く正確に分析することは、社会人として欠かせない能力の1つです。
信用できるか、仕事ができそうか、自分に何を望んでいるかを短時間で見抜けなければ、大きなチャンスを逃してしまいます。
つまり、人間観察力が問われます。
パーティー会場なら、これをゲーム感覚で楽しめます。事前の情報がゼロの中で、相手の身なりや仕草、ちょっとした雑談から、「人となり」を探ってみましょう。
名刺交換の数にこだわらない
「今後も関係を継続させたい」と思える相手なら、名刺を渡してちょっと突っ込んだ話をしてみます。
「合わないな」と思う相手なら、お茶を濁して立ち去ります。
深刻に考えなくていいところが、パーティーの良さです。その判断のプロセスで観察力も自動的に鍛えられるでしょう。
もちろん、自分自身も相手にとって「観察の対象」になることを忘れてはいけません。
結果として、交換する名刺の数は少なくてもいいのです。最低1枚でも十分です。
しかし、その1枚には今後の関係性への期待が込められているはずですから、素早いフォローが欠かせません。お礼のメールを忘れずに入れましょう。
※会話において、とても大切な相手との共通点を見つける方法について解説しています。
本日のまとめ
単身で出席したなら、同じく1人でいる人に声をかけてみよう。会話が弾めばラッキー、気まずくなったら早々に挨拶をして立ち去ればいい。
複数の仲間と参加する場合には、会場でお互いの知り合いを紹介するのがマナー。それを繰り返せば、コミュニケーションの輪が広がる。
初対面の人と話しながら、相手の職業や性格、仕事ができそうか、信頼できるかどうかまで、「プロファイル」してみよう。