皆さんは、自分の感情を表に出すことを悪いことであるかのように、考えていませんか。
日本では、理性や知性により行動を律すること、理知的であることが求められ、感情には従わない、感情を抑圧することが良いこととされてきました。
特に、怒りや悲しみ、苦しみなどの負の感情は表に出さず、他人に気づかれないようにすることが求められています。
このような理由で、現代人は感情を表現することが抑圧され、感情を表すことをトレーニングしてこなかったのが現状ではないでしょうか。
しかし、感情は人間が生きるうえでとても大切なものであり、決して理性や知性と相反するものではありません。
利便性が高い言葉に注意
日本語には、とても便利で重宝されている言葉があります。
例えば、「大変ですね」という言葉です。
「大変ですね」は、相手に共感するときによく使う言葉です。
今日は残業なんですよ ⇒ 大変ですね。
子供が4人いまして ⇒ 大変ですね。
熱っぽくて ⇒ 大変ですね。
このように、なんでも「大変」というワンフレーズで、会話をしのごうとする人が多くいます。
感情を表現する言葉を身につけておく重要性
大変とは、重大な事件、苦労などが並々でないことをあらわす言葉です。
それを「大変、大変」と言ってしまうと、言われた側は、
「本気でわかってくれていないなぁ」
と受け取ってしまいます。
こうなると、話し手は、これ以上話を続けようという気持ちが失せてしまいます。
話し手に不快感を与えることなく、会話を続けていくためには「感情を表現する言葉」をたくさん身につけておくことです。
「大変ですね」を他の表現で言い換える
今日は残業なんですよ
⇒ それは、しんどいですね。
子供が4人いまして
⇒ 将来が楽しみですね。
熱っぽくて
⇒ つらいですよね。
話し手は、このように言ってもらえた方が、自分のことをわかってくれていると感じることができます。
「よかったですね」にも注意
「大変」とともに重宝されているのが「よかったですね」です。
この表現も繰り返し使っているうちに値打ちが下がってしまい、話し手の意欲をくじく結果となっています。
「はじめて彼女ができまして」
⇒ よかったですね。
もう少し相手の気持ちを深く感じ取って表現するなら、
はじめて彼女ができまして
⇒ それは、お幸せですね。
あなたが話し手の立場なら「お幸せですね」のほうが、より嬉しくないですか?
バリエーション豊富な「共感の言葉」をもった人の方が、話し手の喜びを大きく刺激することは間違いありません。
そのためには、日頃から「感情表現」に興味をもって、周りの人の表現方法も参考にしながら、取り入れていきましょう。
感情表現に「超」を使うと子供っぽくなるので注意
いつも嬉しい気持ちをどのような言葉で伝えますか?
例えば、
「嬉しいです」
「超嬉しいです」
これらもシンプルで使いやすいぶん、いつも同じ表現になってしまって飽きますよね。
また、「超」という言葉を使い過ぎるのは控えましょう。幼稚な印象になります。
落ち着いた雰囲気で伝えたい時は、
「心からうれしく思います」
「思います」を添えるとグッと大人な印象になります。
「とっても嬉しい!」を伝える時は?
とっても嬉しい! という気持ちを伝えたい時は、
「心躍ります」
「胸がいっぱいになりました」
「心」「胸」という言葉で感情を表現すると、いっそう喜びが伝わります。パッと口にしやすい言葉でもあります。
他にも動作を盛り込んだ言葉で表現すると伝わりやすくなります。
例えば、
「浮き立つ思いです」
「舞い上がるような気持ちです」
「思わず小躍りしたくなります」
声に出して言うのは恥ずかしいと思ったら、まずはメールなどのテキストメッセージで使ってみてください。
※人間関係を構築するのに欠かせない、共感力についてはコチラの記事を参考にしてください。
本日のまとめ
①「大変ですね」「よかったですね」に変わる表現力を身につけましょう。
「大変ですね」「よかったですね」は便利な言葉ですが、共感を表現する言葉としては、物足りないことがあります。
②「超嬉しいです」というように、「超」という言葉を使いすぎると、子供っぽくなるので、できるだけ使わないようにしたほうが良い。
③感情を表現する言葉を身につけるには、周りの人の表現方法を参考にしましょう。
会話力の高い人は、感情表現の言葉を多く身につけているため、相手の気持ちに寄り添う言葉を上手に表現することができます。