相づちの目的と効果
話している途中に「うん」「そうそう♪」「ふんふん♬」などと声を挟んでもらうと、リズムが付いて話し続ける元気が湧いてきますよね。
相づちは「私の話は伝わっているだろうか?」「相手に興味をもってもらえているだろうか?」「迷惑ではないだろうか?」と、相手の反応を1つ1つ確認しながら、お互いが友好的、親和的に話を進めていく上で欠かせないものです。
相づちは、相手の話を「ちゃんと聞いてますよ」という合図であり、「もっと聞かせてよ」という促しのサインでもあります。
やってはいけない相づち
相手に不快感を与えてしまう
相づちは会話をする上で欠かせないものですが、普段、自分がどんな相づちを入れているかを意識して会話をしている人は少ないのではないでしょうか。
無意識のうちに、相手に不快感を与える相づちをしているかもしれません。
その典型的な例が、
×「なるほど、なるほど」
のように相づちを繰り返すことです。
「なるほど」には、「あなたの話を理解しました」「納得できる話です」「共感できます」といったメッセージが込められています。本来好ましい相槌のはずです。
けれども、あまりにも繰り返されるとイヤな感じがしてくるのはなぜでしょうか。
おそらく、「なるほど」の繰り返しによって、
「理解しました」
「はい、理解しました」
「はい、わかりました」
「わかりましたってば」
「わかったから早く切り上げてください」
…というプレッシャーを感じてしまうからでしょう。
1回「はい」と言うのはいい返事だけれど、「はい、はい」と2回返事をされると気分が悪いというのに似ています。
(ちなみに最近では、「なるほどですね」という相槌がイヤという声もよく聞きます。無理やり敬語にしている感じが嫌われるのでしょう。「たしかに」も要注意です)。
「片方が話して、もう片方が受け止める」が長く続くと、お互いが会話に疲れてしまいます。
過度に攻守交代するのが弾む会話のポイントです。
「なるほど」を連発しているほうも、実は飽きているのを我慢している可能性があります。
「この人さっきから、『なるほど』ばっかりだな」と思ったら、
○「で、どう思われます?」
○「そういうことって、ありません?」
などと問いかけて、バトンタッチするといいでしょう。
相づちのレパートリーを増やす
自分が「なるほど」を多用しがち、という人は、相づちの種類を増やす努力をしましょう。
たとえば、オウム返しは古典的ですが有効な手段です。
相手が
「…というあたりが問題なんですよ」と言ったら、
「…というあたりが問題なんですね」と返します。
「酷い目にあっちゃったよ」と言ったら
「酷い目にあったんですね」と返します。
相手の言ったことをそのまま繰り返すだけで、単調に「なるほど」を繰り返すよりも変化がつきます。
※オウム返しについては、こちらで詳しく解説していますので、参考にしてください。
その他にも
「えっ、そうなんですか!?」
と少しおおげさに驚くのも有効ですし、
「ほう、それで?」
と興味を示しながら次の話を引き出すのもいいでしょう。
「ほんとですか!?」「それはすごいですね」なども使えます。
また、声に出さなくても、「うなずき」も大事なテクニックです。
「なるほど」ばかり繰り返していると、そのうち自分でも気になってきてしまいます。
そういうときは意識的に言葉を発さないよういにして、静かにうなずきます。
そのほかにも、
「目を見開く」
「笑う」
「痛そう‥と顔で共感を表現する」
といったボディランゲージも相槌のかわりになるので、積極的に取り入れたいものです。
「なるほど」そのものがいけないわけではありません。単調に繰り返すことによって相手に悪印象を与えてしまうことを避けたいわけです。
相槌上手になるためには、相槌のバリエーションを増やしましょう。
本日のまとめ
相づちの目的と効果
・「ちゃんと聞いてますよ」という合図
・「もっと話してください」という促しのサイン
相手に不快感を与えてしまうケース
「なるほど、なるほど」のように相づちを繰り返す言い方は、相手に不快感を与えてしまう
相づちのレパートリーを増やす
・オウム返し
相手の言ったことをそのまま繰り返す
その他にも
「えっ、そうなんですか!?」
と少しおおげさに驚く
「ほう、それで?」
と興味を示しながら次の話を引き出す
ボディーランゲージも相づちとなる
・「目を見開く」
・「笑う」
・「痛そう‥と顔で共感を表現する」