他人行儀な人とは?
親しい間柄、あるいは目下の者に対しても、「です、ます」という敬語表現を使う人がいます。
友人から「久しぶりに会おう」と誘いを受けて、
「いいですね。私もあなたと会いたいと思っていました」
と答える。
部下に「この件ですが、あなたに任せますので、やってもらえますか」と、敬語で指示を出す上司もいます。
丁寧な話し方で、それだけ人間関係を大切にしているようにも思いますが、そんな話し方を「よそよそしい」と感じ、「距離を置かれているみたい」と少し寂しい思いになる人もいます。
おそらくは「距離を置かれている」のは、正しい認識なのでしょう。
ただし、あなたに対して快くない印象を抱いているとか、あなたは必要以上にあまり仲良くしたくない、といったメッセージではありません。
敬語を使うことが多いその人自身に、ある種のコンプレックスがある場合が多いようです。
・「人づきあいが苦手だ」
・「人と話をあわせるのが得意でない」
・「これまでの経歴を知られたくない」
・「子供のころ、不幸な家庭環境で育った」
・「現状の情けない生活を知られたくない」
そんなコンプレックスを他人から察知されたくなくて意図的に、あるいは無意識的に他人とは距離を置きたがります。
「人づきあいが苦手」といったコンプレックスがあるからこそ、余計に人との関係を大切にしたいという意識が生まれ、どんな相手にも「敬語で話す」という行為となって表れる面もあります。
「です、ます」の人を、そのよそよそしさの裏には何かある、よからぬ企みがある、陰険なことを考えている…とあまり深読みしないほうがいいでしょう。
「です。ます」の人は、基本的に善良な人です。深読みをしてお互いに傷つけあうことをいったりやったりする関係にもなりかねません。
「こういう人なのだ」と、いい意味で割り切り、気軽につきあっていけばいいでしょう。
「みんなでビール飲みに行くんだけど、あなたどうする?」と問いかけたとき、「ああ、うーん」とひと唸りしながら、なかなか返事をしない人がいます。
声をかけた人はイライラしてきて、「嫌なら嫌だって、はっきりいってよ」と責める。
しかしこんな人も「嫌で」返事するのをまごついているというよりも、人とある程度の距離感を保ちたいという意識が働いているケースが多くあります。
ですから、「私たちとつきあうのが嫌なんでしょう」と早合点で決めつけるのではなく、ゆとりある気持ちでつきあってみてはいかがでしょうか。
よそよそしい態度をとる心理
緊張している
緊張してしまうと、態度がよそよそしくなってしまうケースがあります。
初めて会う人にはどう接したら良いのか分からず、気がつけばよそよそしい態度になってしまっているのです。
これは、悪意があるわけではないので、仲良くなると「あのよそよそしい態度は何だったの?」というぐらい、フレンドリーになる場合があります。
相手のことを好きゆえに、あえて避けている
好きな人ができると、その人に自分がどう思われているのか、とっても気になってしまいますよね。
自分の気持ちに気がつくまでは親しくお喋りできていても、一旦、恋心に火がついてしまうと、自分の発言や行動で相手に気持ちが伝わってしまうのではないか、変な事をして嫌われてしまうのではないかと考えてしまいます。
相手に自分の気持ちがバレないように意識すればするほど、よそよそしい態度をとってしまいがちです。
また、周囲に気づかれないようにという目的で、あえて「よそよそしい態度」をとる人も多くいます。
相手のことが苦手
仲の良い相手とだったらリラックスしてお喋りできますが、相手のことが生理的に苦手な場合や、性格的に人とのコミュニケーションが苦手な人は、「よそよそしい態度」になりがちです。
「本当はこの人苦手だから、関わりたくない。仕事だし、当たり障りない感じでいるか」
などと、できれば関わりたくないけど、仕事や付き合いの関係でどうしても関わらなくてはならない場合、必要以上に近づきたくないために他人行儀なよそよそしい態度になってしまいます。
気軽に話しかけても、なかなか心を開いてくれなかったり、会話がなかなか続かなかったりする場合は、相手の気持ちや性格に原因があるかもしれません。
※無愛想な人の特徴と接し方について解説していますので、ぜひ参考にしてください。
本日のまとめ
他人行儀な人とは?
他人行儀な人には「人づきあいが苦手」といったコンプレックスがある。
だからこそ、余計に人との関係を大切にしたいという意識が生まれ、どんな相手にも「敬語で話す」という行為となって表れる面もある。
したがって、何か裏があるのではなど、勘ぐるのではなく、こういう人だと割り切るのがよい。
よそよそしい態度をとる心理
・相手のことが苦手
・緊張している
・相手のことを好きゆえに、あえて避けている