「言った」「言わない」のトラブルが起きる原因
記録をしていない
人の記憶力には容量というものがあり、いつでも人の記憶が100%正しいとは言い切れません。
特に忙しかったり、疲れていたりすると脳が疲れていて記憶力が低下してしまうこともあります。
「言った」「言わない」のトラブルは、このような言った側・言われた側の曖昧な記憶が招いてしまうことも多いです。
記憶だけに頼り、書面などの記録がないと思い込みやお互いの記憶違いでそのまま事が進んでしまい、後からどちらが正しいかを確認することもできません。
認識の相違
認識の相違とは、指示を出したほうが言ったつもりで、指示を受けた側に正しく伝わっていないケースであったり、指示を受けた側が違った解釈をしたりするケースです。
さまざまな環境や背景をもった他者同士がコミュニケーションをとるわけですから、言葉ひとつによって誤解を生じることや、意図するべきことが伝わっていないことは当然発生します。
そういうつもりで言っていない、そういう意図ではない…。こういった認識のずれが「言った言わない」のトラブルに繋がっている原因と考えられます。
確認を怠っていた
お互いに認識の違いがあった場合でも、その場で復唱や確認がなければ後から「言った」「言わない」のトラブルに発展しやすくなります。
何か物事を進める時は、確認をすることで、認識の違いや言い間違い、聞き間違いに気がつくこともあります。
また、確認をする際に記録を残すなど、確認をしたという事実を作っておくことで責任の所在を明確にする役割にもなるでしょう。
「言った」「言わない」トラブルの対処法
可能な範囲で記録に残す
仕事上さまざまなやりとりがありますが、可能な限りやり取りは記録に残しておくようにしましょう。
記録した情報は証拠になり、「言った」のか「言わなかった」のか確認に使えるので、「言った言わない」トラブルを防げます。
特に絶対にトラブルを避けたい大事な会議や、取引先との商談は議事録を取ることです。
記録をお互いに共有しておけば、気になることがあった時に後から何度も確認することができます。
何かトラブルが発生した際も記録が証拠となり、トラブル防止に役立つでしょう。
積極的にコミュニケーションをとる
「言った」「言わない」が起こる原因にはお互いの認識のずれがあります。
相手も分かっているだろうという思い込みや理解しているだろうと確認をしないことはリスクがあります。
実際には、お互いに分かり合えていないことを前提にコミュニケーションを取る必要があります。
コミュニケーションを密にすることで、相手がどういった人物像で、どういう仕事の仕方をするのかが見えやすくなり、お互いの理解が深まって認識の擦り合わせがしやすくなるでしょう。
話がもつれたときの話し方
仕事で、
×「あなたは以前、『この取引は難しい』なんて一度も言わなかったよね」
×「えっ?何度も言ったと思いますが」
といったことでギクシャクすることがあります。
自分は「言ったはず」「確かに約束した」と思っているのに、相手が「聞いていない」「答えがない」と言うことはよくあります。
そして、「言った、言わない」の口論に発展していくこともあるのです。
このようなことは、仕事の人間関係、友人や夫婦、親子での関係など、あらゆる人間関係で、よくあるシチュエーションではないでしょうか。
しかし、こうしたことで、大切な人との関係が悪くなっていくのは、とても残念なことです。
したがって、このようなケースでは、相手の言い分に反論する前に、自分の非をいったん認める言葉を言っておくのがいいと思います。
○「言葉足らずだったかもしれないけど」
○「私の言い方が悪くて、誤解されてしまっかかもしれませんが」
というように、まずは自分の非を認めておくのです。
そのうえで、
○「もう一度、よく話し合いましょう」
という話を持ち出しましょう。
自分の非を認めるという謙虚さを示すことで、相手も柔軟にことらの言うことを聞き入れてくれるようになります。
「言った、言わない」の無益な水掛け論で、大切な時間を浪費することも避けられるのではないでしょうか。
本日のまとめ
「言った」「言わない」トラブルが起きる原因
・記録をしていない
・認識の相違
・確認を怠っていた
「言った」「言わない」トラブルの対処法
・可能な範囲で記録に残す
・積極的にコミュニケーションをとる
「言った」「言わない」で話がもつれたときの話し方
相手の言い分に反論する前に、自分の非をいったん認める言葉を言っておこう。
○「言葉足らずだったかもしれないけど」
○「私の言い方が悪くて、誤解されてしまっかかもしれませんが」
というように、まずは自分の非を認めておく。
そのうえで、
○「もう一度、よく話し合いましょう」
と 自分の非を認めるという謙虚さを示す話し方がよい。