ミスをして人に迷惑をかけたら、謝るのが当たり前ですよね。
しかし、謝り方を間違えると、かえって相手を怒らせたり、関係をこじらせたりすることもあります。
いかにその場を丸く収め、あわよくば以前よりも関係を深めることができるかが大事です。
謝罪で最も大切なこと
言葉よりも姿勢がポイント
まず気をつけるべきは、謝罪の「姿勢」です。
ここでいう姿勢とは比喩的な意味ではなく、文字通り身体の姿勢のことです。
当然ながら、ふんぞり返ったままいくら謝罪の言葉を並べても、相手には響きません。
それは電話口や謝罪文を書く場合も同様です。身体の姿勢は、声や思考にも反映されるからです。
たとえ相手が目の前にいなくても、「申し訳ない」という気持ちを表すには、頭を下げて恐れ入る姿勢を見せるのが第一歩です。
このことは、昨今よく報じられる国内外の政治家や芸能人による謝罪シーンを思い出せば分かります。
私たちは、言葉よりも先に相手の態度や表情、声のトーンに注目します。
その印象が悪いばかりに「炎上」に至ったケースは少なくありません。
※心のこもった謝罪の仕方について解説しています。
トラブルを収めるための3つの対処法
「確認不足」と伝えよう
謝罪するときは、姿勢が最も大事ということを踏まえた上で
第1は「相手に罪があると受け取られるような事情説明をしてはいけない」ということです。
仕事上のトラブルの大半は、ちょっとした勘違いや行き違い、意思疎通の不足が原因です。
どちらかが一方的に悪いということはあまりありません。
しかし、それをストレートに指摘すると、言い訳や責任逃れのように聞こえてしまい、かえって相手を怒らせることになりかねません。
それを回避するための言葉は「確認不足」です。
相手の勘違いがトラブルの原因だとしても、
「こちらの確認不足でした」
「もう一度確認すべきでした」
と自分に非があるように言えば角は立ちません。
また「確認」はお互いの意思疎通によるものなので、その「不足」はお互いの責任ということにもなります。
「確認不足でした」と言われれば、常識のある社会人なら
「自分もちゃんと伝えていなかったかな」と気づくはずです。
上司が前面に出て時間を稼ぐ
第2は、「当事者以外が対応する場合も注意が必要」ということです。
上司が前面に出て謝罪する、または謝罪されることはよくあります。
当事者同士では感情が先に立って素直に頭を下げにくい場合もあるし、逆に萎縮しすぎて理不尽な要求をのまされたりする場合もあります。
そんな時に上司が表に出れば、そういう「延焼」は防げるし、「それだけ重大事と捉えている」という相手へのメッセージにもなります。
ただし、上司同士なら丸く収まるというわけでもありません。
互いに部下や組織をかばいたいという意識も働くからです。
さながら雛鳥や巣を守ろうとする親鳥のようなもので、感情的になる場合もあります。
こういう時は、その場ですべて解決しようと思わず、頭を下げつつ
「詳細を精査したうえで、社として対応を後日改めてご報告します」
と、いったん退く方がいいです。
その間に事実関係の洗い出しもできるし、冷却期間にもなります。
詳細の経緯はメールを活用する
口頭で説明しようとすると、どうしても言葉足らずになったり、口が滑ったりしがちになります。
日常のコミュニケーションなら多少は大目に見てもらえるますが、謝罪となると、さすがに言葉選びから神経を使う必要があります。
ですから、メールが適しているのです。
できるだけ早く口頭で謝り、できるだけ詳細にメールで事情を説明して善後策を申し出るという2段階を踏めば、さすがに相手の怒りも静まるのではないでしょうか。
しかもメールなら、記録として残ります。
後で蒸し返されて「言った」「言わない」という水掛け論になることも避けられます。
身内で再発を防ぐための教材にもなるはずです。
本日のまとめ
謝罪では姿勢が大事
謝罪で最も大切なことは、言葉よりも姿勢である。たとえ、相手が目の前にいなくても、申し訳ないという姿勢は崩してはならない。
トラブルを丸く収めるためのポイント
・「確認不足」と伝えよう
「こちらの確認不足」と言えば、意思疎通の問題に転嫁できる。
間違っても、相手に非があるような言い方はしてはいけない。
・上司が前面に出て時間を稼ぐ
「自分の責任で精査する」と引き取り、冷却期間を置く。
もちろん早々に精査して再発防止に努めることも大事。
・詳細の経緯はメールを活用する
精査の結果を文章にまとめ、善後策も含めて相手にメールで送る。