職場で言いにくいことを伝えることは、誰もが経験するものです。
上司や同僚、部下など、相手によって伝え方を変える必要があり、どのように伝えれば相手を傷つけずに、かつ自分の意見をしっかり伝えることができるか悩む方も多いでしょう。
ここでは、職場で言いにくいことを伝えるための技術についてご紹介します。
言いにくいことを伝えるときのポイント
職場で言いにくいことを伝えるのは、誰にとっても勇気のいることです。
しかし、相手に配慮しながら、適切な方法で伝えることで、円滑なコミュニケーションを実現することができます。
ここでは、言いにくいことを伝えるときの5つのポイントを詳しく解説します。
タイミングを図る
相手がリラックスしている時や、急務やストレスが少ない時に伝えるのが効果的です。
相手が疲れている時や、仕事に追われている時などは、受け入れてもらえない可能性が高くなります。
場所を選ぶ
静かでプライバシーが確保された場所を選ぶことが重要です。周囲に人がいる場所では、相手は気を遣い、本音を言い出しにくくなります。
事前に準備する
伝えたいことを整理し、具体的な事実やデータを把握しておくことが大切です。感情的な表現ではなく、客観的な事実をもとに伝えることで、相手は受け入れやすくなります。
代替案を提案する
問題点を指摘するだけでなく、解決策や代替案を提案することで、建設的な対話に繋がります。相手にとってメリットがある提案をすることで、受け入れやすくなります。
クッション言葉を使う
「申し訳ありませんが」「お願いしたいことがあるのですが」といったクッション言葉を使うことで、相手に配慮した印象を与えることができます。
これらのポイントを意識することで、言いにくいことも相手に受け入れてもらいやすくなります。
例文
「ちょっとお話ししたいことがあるのですが、よろしいでしょうか？」
「○○について、ご相談させていただきたいのですが、お時間いただけますか？」
「○○について、少し気になっている点がありまして…」
「もしよろしければ、○○という方法はどうでしょうか？」
これらの例文を参考に、状況に合わせて適切な言葉を選びましょう。
言いにくいことを伝えるときの3つのステップ
相手の立場を理解する
伝える前に、まず相手の状況や感情を理解することが大切です。相手の立場や状況に共感し、相手の視点から物事を捉えることで、スムーズなコミュニケーションを実現することができます。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
・相手が現在抱えている課題や状況を把握する
・相手の感情や気持ちに共感する
・相手の立場に立って物事を考えてみる
伝えたいことを整理する
何を伝えたいのか、どのように伝えたいのかを事前に整理しておくことが重要です。混乱を避け、相手に理解してもらうためには、要点を絞って明確な伝え方をする必要があります。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
・伝えたい内容を箇条書きにして整理する
・具体的な事実やデータを用意する
・自分の主張を明確にする
伝える
事前の準備ができたら、落ち着いて丁寧に伝えましょう。相手が理解しやすい言葉を選び、クッション言葉を使用して柔軟性を持たせながら、的確に伝えることが重要です。
具体的には、以下の点に注意しましょう。
・相手の目を見て、ゆっくりと話す
・難しい言葉や専門用語は避け、平易な言葉を使う
・攻撃的な表現や感情的な言葉は使わない
・クッション言葉を使って、柔らかい印象を与える
相手別：言いにくいことの伝え方
上司に対して
上司に言いにくいことを伝えるときは、特に配慮が必要です。上司は部下を評価・指導する立場にあるため、言いにくいことを伝えることで、上司の評価を下げてしまうのではないかと不安になる人もいるでしょう。
しかし、上司に言いにくいことを伝えられないままでいると、仕事に支障をきたしたり、人間関係が悪化したりすることもあります。
上司に言いにくいことを伝えるときは、以下のポイントを参考にしてみてください。
指示に反対するとき
「ご指示ありがとうございます。しかし、私は○○という点が少し懸念されます。いかがでしょうか？」
ミスを指摘するとき
「○○という点は、少し気になりました。よろしければ、ご確認いただけないでしょうか？」
仕事の進め方を提案するとき
「○○という方法だと、より効率的に進められるのではないかと思います。いかがでしょうか？」
同僚に対して
同僚に言いにくいことを伝えるときは、上司に伝えるときと同様に、相手の気持ちに配慮することが大切です。
また、同僚は仕事だけでなく、プライベートでも関わることがあるため、関係性を悪化させないようにすることも重要です。
同僚に言いにくいことを伝えるときは、以下のポイントを参考にしてみてください。
誘いを断るとき
「せっかく誘ってくれてありがとう。でも、今週末は予定があって、参加できないんだ。また、別の機会があれば、ぜひ参加させてください」
面倒なことをお願いするとき
「○○をお願いしてもよろしいですか？お手数ですが、よろしくお願いします」
プライベートな質問をするとき
「○○さんの○○について、ちょっと聞きたいことがあるのですが、よろしいですか？」
提案に意見をするとき
「○○という点は、少し気になるのですが、いかがでしょうか？」
同僚に言いにくいことを伝えるときは、相手の気持ちにも配慮しながら、丁寧に伝えるようにしましょう。
部下に対して
部下に言いにくいことを伝えるときは、上司や同僚に伝えるときと同様に、相手の気持ちに配慮することが大切です。
また、言いにくいことを伝えることで、部下のモチベーションを下げてしまうのではないかと不安になる人もいるでしょう。
部下に言いにくいことを伝えるときは、以下のポイントを参考にしてみてください。
ミスを指摘するとき
「○○という点は、少し気になりますね。よかったら、もう一度確認してもらえないかな？」
仕事の進め方を改善するように伝えるとき
「○○という方法だと、より効率的に進められるのではないかと思うんだが‥。どうだろう？」
評価を伝えるとき
「××という点については、このように改善していくともっと良くなると思うよ。しかし、○○という点は、今後の成長につながるのではないかと思う」
本日のまとめ
言いにくいことを伝えるときのポイント
・タイミングを図る
・場所を選ぶ
・事前に準備する
・代替案を提案する
・クッション言葉を使う
言いにくいことを伝えるときの3つのステップ
・相手の立場を理解する
・伝えたいことを整理する
・伝える
相手別：言いにくいことの伝え方
上司に対して
・指示に反対するとき
・ミスを指摘するとき
・仕事の進め方を提案するとき
同僚に対して
・誘いを断るとき
・面倒なことをお願いするとき
・プライベートな質問をするとき
・提案に意見をするとき
部下に対して
・ミスを指摘するとき
・仕事の進め方を改善するように伝えるとき
・評価を伝えるとき
