ねぎらうとは?
まずは「労う」の意味ですが、国語辞典によると、「苦労や骨折りに感謝し、いたわること。自分と同等または下の人に対して用いる」と書かれています。
最近は、ねぎらいの言葉をかける人が減ったように感じます。
雨の日に待ち合わせをしたら、
「凄い雨だね」
「ベトベトだわ」
という会話はよく聞きますが、
「濡れたでしょう」
「カバンは大丈夫でしたか」
と相手をねぎらう言葉を聞くことは少なくなりました。
ねぎらいの言葉の効果
苦労したときに労りの言葉をかけられると、うれしい気持ちになる人がほとんどです。
大変なプロジェクトで疲れ切っていても、同僚や先輩・後輩の一言が活気の源になる場合もあります。
仕事では苦労したからといって、大きな成果を得られるケースばかりではありません。
頑張りに見合った成果を得られないとき、目に見えない報酬がモチベーションにつながります。
ねぎらいの言葉は、相手を「安心させる」「気持ちを盛り上げる」「リラックスさせる」といった効果があります。
ねぎらうときの4つのステップ
ステップ①
自分が抱えていた問題点を伝える。
ステップ②
あなたを信頼しているから頼んだことを伝える。
ステップ③
あなたの仕事がどう役立ったかを伝える。
ステップ④
あなたのおかげで自分が得たメリットと感謝を伝える。
会話例
上司から、あなたが商談用の資料作成を頼まれ、無事に完了したとき。
上記ステップを実際の会話にすると、
ステップ①
「僕では◯◯についてあまり詳しくないし、□□の件で調べる時間もなくて、困ってたんだ」
ステップ②
「でも、あなたは◯◯について詳しいし、いつもしっかり仕事してくれるから、お願いしたんだよね」
ステップ③
「お客様も『この資料はわかりやすい!』って喜んでくれてね、打ち合わせもバッチリだったよ!」
ステップ④
「無事に案件も受注できたし、あなたのおかげで今期の売上も達成できたよ。他に仕事もあるのに時間を作ってくれたんだよね。本当にありがとう!」
自分が何かを頼まれたときに、①~④の全てではなくても、言ってもらえたら、
「ああ、やってよかったな、喜んでもらえたな、ちゃんと役に立てたんだな」
と思えますよね。
普段の言葉をねぎらいの言葉に置き換える方法
普段、何気なく使っている言葉を「ねぎらいの言葉」に置き換える方法を紹介します。
その置き換え方は、「~だったでしょう」という言い回しを活用します。
この話し方は、相手から返事が返ってきやすい、とても良い言い回しです。
たとえば
普段なら
「今日は暑いですね」
と言うところを
「今日は暑かったでしょう」
と言い換えることで、ねぎらいの言葉になります。
相手は
「本当にすごい暑さですね」
というように返事をしてくれます。そこから、会話が自然と始まりやすくなります。
◎あくまでも「~だったでしょう」と相手に向けて使ってください。
上司に対して、
「課長もストレスを感じることがありますよね」
これをねぎらいの言葉に換えると
「課長もストレスをお感じになることもおありでしょう」
となります。
◎課長は自分の気持ちを汲んでくれた嬉しさから、ホッとして、思わぬ本音を話してくれるかもしれません。
新入社員に対して
上司「不満とかある?会社に入って、思っていたのと違うことってあるよね?」
ねぎらいの言葉に変えると
「不満もあるだろうな。会社に入って、思っていたのと違うこともあったでしょう」
となります。
◎部下は、私のことを分かってくれていると感じて、安心感を得ることができ、本音で話しやすくなります。
このように、ねぎらいがあるところに、良い会話が生まれます。
※職場のコミュニケーションについてはコチラの記事を参考にしてください。
本日のまとめ
◎「ねぎらう」とは、苦労や骨折りに感謝し、いたわることです。
◎ ねぎらいの言葉は、相手を「安心させる」「気持ちを盛り上げる」「リラックスさせる」といった効果があります。
◎ねぎらうときの4つのステップ
ステップ①
自分が抱えていた問題点を伝えます。
ステップ②
あなたを信頼しているから頼んだことを伝えます。
ステップ③
あなたの仕事がどう役立ったかを伝えます。
ステップ④
あなたのおかげで自分が得たメリットと感謝を伝えます。
◎ねぎらいの言葉は「~だったでしょう」という言い回しを活用します。
たとえば
普段なら「今日は暑いですね」
と言うところを「今日は暑かったでしょう」
と言い換えることで、ねぎらいの言葉になります。
・相手から、返事が返ってきやすいというメリットがあります。