叱るとは?
人を叱るときに、最も大切なことは、相手を尊重することです。決して、自分の感情を優先して、相手の自尊心を傷つけてはいけません。
相手の気持ちを理解(共感)し、信用していることを(期待)伝えることで、相手は自分の過ちを素直に認めて直そうとします。
叱るときの注意点
結果や事実について叱る
決して人格や性格について否定してはいけません。「普通は~」「常識では~」という言い方は相手自身を否定してしまうことになるので使わないようにします。
過去のことを持ち出さない
「前から思ってたけど~」「また~」という言葉を使うと、相手は「信用してたのに、前から批判されていたのか」と思います。信頼関係にひびが入る原因になります。
問い詰めて追い込まない
「なぜできない?」「なぜ?なぜ?」と質問すると、相手は追い詰められてしまいます。
「どうしたらできる?」と質問して一緒に考えていく姿勢をとりましょう。
叱責や指摘は「目上から目下へ物申す」になりがちです。
相手を尊重する意識を強く持っておかないと、感情的で高圧的な物言いになってしまいます。
相手の立場が、部下であれ後輩であれ、敬意を込めて接してこそ、本当の意味で一人前に育てることができます。
叱るときのポイントと手順
部下)「請求書の金額を間違えてしまい、取引先から、クレームです」
「叱り方の悪い例」
上司)「なにやっているんだ!どうするつもりだ!」
怒りを表しても、部下はますます取り乱して、仕事が手に付きません。
ステップ① 部下に「共感」をして、落ち着かせる
上司)「確かに困った状況だね。さて、どうすればいいかなぁ?」
部下は、上司に自分の気持ちや状況について「共感してもらった」ことで、わかってもらった安心感から、ストレスが軽減されます。
心が落ち着き、物事を冷静に考えることができます。
ステップ② 部下への「敬意」を示す
上司)「どうしたんだよ。君らしくない失敗だな。君ともあろう者が、こんなミスをするなんて」
部下の自尊心を傷つけることなく、叱責の言葉を伝えることが大切です。
ステップ③ 部下へ「期待」をしていることを伝える
上司)「大丈夫、君ならできるとわかっているから」
部下は、上司の期待に応えるという気持ちで、問題解決に取り掛かります。
相手の心情を理解して、思いやりのある言葉をかけたほうが、物事はうまく進みます。
このことがわかっていても、自分の気持ちを通すために、他人の感情を踏みにじり、相手の自尊心を傷つける人がいます。
相手の将来を考え、敬意を込めた叱り方のできる人は、必ず人から慕われます。
※部下を育てる秘訣について紹介しています。
本日のまとめ
叱るときに大切なことは、相手の気持ちを理解(共感)し、敬意を示して、信用(期待)をしていることを伝えることです。決して感情を優先させてはいけません。
叱るときは、
・結果や事実について叱ること。
・過去のことを持ち出さないこと。
・問い詰めて追い込まないこと。
この3点に注意します。
叱り方の手順は
1「共感」→2「敬意」→3「期待」の順で行うと効果的です。