お客様との会話が弾むコツ
話すスピードを合わせる
会話の基本でもありますが、話すスピードをお客様に合わせるといいでしょう。
例えば、
年配の人でゆっくり話す人に対しては、ゆっくりとしたペースで話す。
キビキビと早口な人に対しては早めのスピードで話す。
といった具合です。
人は、自分と話すテンポが似通った相手に対して、親近感を持ちます(ミラーリング効果)。
ですから、話すスピードを合わせることで、お客様から好感をもたれやすくなります。
※ミラーリング効果については、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
誰でもわかる言葉を選ぶ
お客様と会話するときは、誰でもわかる言葉を選んで話すことが大事です。
というのも、無意識に「専門用語」や「業界用語」を使ってしまいがちだからです。
普段、スタッフ同士やメーカーの方と話すときに、専門用語や業界用語をたくさん使っていると思います。
とはいえ、自分にとってはわかって当たり前の言葉ですが、お客様にとっては聞き慣れない言葉であり、難しいと感じる言葉であるケースがあります。
話している途中で、わからない言葉が出ると、話の内容自体がわからなくなったり、わからない言葉が気になったりします。
そのため、そのあとの話を集中して聞けないことがあります。
笑顔で、アイコンタクトしながら話す
会話をするときの表情は、笑顔であることが大切です。笑顔で話すことで、お客様を安心させることができます。
笑顔は、あなたが好き「好意」・あなたのおかげで「感謝」・あなたに会えて「嬉しい」「楽しい」と語ってくれます。
そして、適度にアイコンタクトしながら話すといいでしょう。
というのも、目を合わせることで信頼性や説得力が増すからです。
もし、目を合わせないまま話すと、お客様からすると、本当に信頼できる話なのか不安になります。
また、伝えたいという意思を感じられないので、話をよく聞いてくれません。
ですから、アイコンタクトしながら話すことは大事です。
※笑顔の効果については、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
お客様と接するときの心構え
曖昧な表現をしない
「大丈夫」という言い回しには、
「いまなら電話しても大丈夫だよ」
というOKの意味や、
体調がよくなさそうだと指摘されたときの
「うん、でも大丈夫」
という元気だよ、問題ないよ、などの意味があります。
ところが最近では、
「ビールもっと飲む?」
×「ううん、大丈夫」
「その仕事、こっちで引き取りましょうか?」
×「いいえ、大丈夫です」
と、「いらないです」「断ります」という意味で使われることも多くなっています。
きっぱりと断ってしまうと拒絶のメッセージが強すぎるのではないかということで、「大丈夫」という表現が使われているようです。
たとえば
「晩ごはん、家で食べる?」
×「大丈夫」
「大丈夫ってどっち?食べるの?食べないの?」
「食べない」
「最初からそう言ってよ」
という家族間での会話が目に浮かびます。
「大丈夫」はイエスともノーとも取れる都合のいい便利な言葉ですが、それだけあいまいで、特にお客さんに対して使うと解釈に違いが生じて、ミスやトラブル、クレームの原因となります。
たとえば、
飲食店での会計時に、お客さんが千円余分に渡してきたとします。
○「千円多いのでお返しします」
と言わずに、
×「この千円は、大丈夫です」
と言ったら、お客さんはどう解釈したらよいか、一瞬戸惑ってしまうでしょう。
ですから、「大丈夫」を別の言葉に言いかえる必要があります。
お客さんに
「ここで食べていいの?」
と聞かれたなら
○「お召し上がりいただけます」
「予約できる?」
と聞かれたら
○「ご予約いただけます」
と言い替えるだけで、相手にはっきりと伝わり、なおかつていねいで好印象になります。
ぼかした言い方をしない
お客さんに対して失礼にならないようにとの配慮から、
×「何かありましたら、お申しつけいただければと思います」
×「お召し上がりいただければと思います」
と、ていねいに言うことがあります。
ですが、実はまったくていねいにはなっていないのです。
本来なら「~していただければ○○(だと思い)ます」という言い方をします。
ですから、正しくは
○「お申しつけいただければ、すぐ参ります」
○「お召し上がりいただければうれしく思います」
などと言います。
もっときっぱりとした表現なら、
○「お申しつけください」
○「お召し上がりください」
となります。
「~ればと思います」は、「~れば」のうしろを省略してぼかした、あやふやな表現です。
これでは、申しつけたらどうなるのか、言われた側は悩んでしまいます。
もちろん、何か言えば対応してくれるのだろうと、見当はつくでしょう。
しかし、「わかるでしょ?」「〇〇のところは想像してよ、適当に解釈してよ」という姿勢では、お客さんに対して失礼です。
本当にていねいな対応をしたいのであれば、言葉を省略してはいけません。
「~れば」どうなるのか、〇〇部分をしっかりと伝えることが、相手のためになるのです。
似たような表現に「~ではないかと」という言葉がありますが、これもあやふやです。
確証がないから、あえてぼかしているのはわかりますが、これでは責任感のない人だと思われてしまいます。
あいまいな伝え方は相手に対して失礼であり、自分にとってもよいことはない、という意識をもちましょう。
本日のまとめ
お客様との会話が弾むコツ
・誰でもわかる言葉を選ぶ
・笑顔で、アイコンタクトしながら話す
お客様を不安にさせてしまう言い回し
・曖昧な表現
「大丈夫」の使い方に注意
・ぼかした言い方をしない
「~ればと思います」「~ではないかと」は、あやふやな言い方なので、相手に対して失礼。