希少性の法則とは?
希少性の法則とは、人が欲している量(需要)に比べ、利用できる量(供給)が少ない時、そのものの価値が高くなる、または高く思える心理的な現象のことをいいます。
希少性には「数量の希少性」と「時間の希少性」の2つがあります。
数量の希少性
数量の希少性とは、その生産量や産出量などが少ないために、滅多に手に入らないことで希少性があるものです。
例えば
・「限定30個」と書いてあると、とたんにその商品が価値あるものに思えてきて、早く買わないと損してしまうという気になる。
・セールスマンから「このタイプのマシンはあと10台しか残っていません。そのうち、5台は予約済みで、残りは5台です」と言われると早く予約を入れなければならないような気がしてくる。
時間の希少性
時間の希少性とは、「今、買わないと、もう買えないかもしれない」という時間的な制約を与えるものです。
・「30%オフ、本日限り」と書いてあると、今日、どうしても買わなければ損をしてしまうかもしれないという気になる。
・「パンダの赤ちゃん公開」というCMを見ると、かわいいうちに見に行きたいという気持ちになる。
このように、希少性の法則とは、手に入れる自由を奪われる恐怖を利用するものです。
数が少なかったり、時間的な制約をかけられたりすると、手に入れる自由を奪われることになり、それに恐怖を感じてしまい、冷静な判断力を失うのです。
希少性の法則の具体例
数量の希少性を訴える
「あと、3つしか在庫が残っておりませんが、今、お求めにならなくてよろしいですか?」
⇒購入機会を喪失することを相手に伝え、「今なら買う権利があります。しかし、もし誰かが買ってしまって、買えなくなってしまったら、その責任は、あなたにあるのですよ」という質問を投げかけることにより、購買意欲を高めることができます。
限られた時間を訴える
営業マン「あと1日でご購入できなくなりますが、今、お求めにならなくてよろしいですか?」
⇒期限を設定し、その期限が過ぎてしまうと手に入らなくなると伝え、失う恐怖を植え付ける方法です。
すでに売り切れであったり、手に入れることができなくなったことを訴える
営業マン「すでに売り切れでございますが、似た商品をご覧になりますか?」
お客様 「そうですね」
営業マン「ちょっと、待って下さい!もしかしたら、もう1つだけ残っているかもしれません。仮に残っていたら、お客様はご購入なさいますか?」
⇒仮に、商品が残っていたらという話法を使うことで、お客様は「自分だけ」に与えられた権利という特別感を得る。
人は、決断を迫られるとき、後で後悔することを恐れて「もう少し考えたい」と決断を先延ばししようとします。
しかし、希少性の法則を使えば、「先延ばしすること自体が後悔の原因になる」という恐怖が生じ、「先延ばしして失う決断ができない」がゆえに購入し、とりあえずの安心を手に入れようとするのです。
※ビジネスや恋愛にも使えるアンカリング効果については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
※ビジネスや恋愛にも使える「ハード・トゥ・ゲット・テクニック」については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
本日のまとめ
希少性の法則には「数量の希少性」と「時間の希少性」の2つがある。
「数量の希少性」
・限定30個
・残り10台
・オリンピックのチケット
・コンサートの最前列
「時間の希少性」
・閉店セール
・タイムセール
・今から30分以内
・パンダの赤ちゃん公開(かわいいうちに)
希少性の法則とは、手に入れる自由を奪われる恐怖を利用するものである。