会話が苦手だと感じる人の悩みの一つに、「沈黙が訪れる」があるのではないでしょうか。
沈黙を埋めようとして頭が真っ白になってしまったり、言わなくてもいいことまで口に出してしまったりして、後悔するといった経験を持つ方もいらっしゃると思います。
では、なぜ、沈黙が恐いと感じるのでしょうか?
沈黙が怖い理由
沈黙が怖い理由は
「黙ってばかりで相手の気分を害しているのではないか」
「何か言えよと思われているかもしれない」
などという心理が働くためです。
もちろん、これは相手が実際に言ったのではなく、勝手に自分がそう思い込んでいるだけです。
わかりやすい例では好きな異性との初デート中に
「ヤバい、会話のネタがない」
「何か話さないとつまらない人間だと思われてしまう」
という思いを経験された方は多いと思います。
これも「沈黙によって人に嫌われたくない」という心理が強く働きすぎていることが影響しています。
つまり沈黙を必要以上に恐れる人は同性、異性関係なく、他人の目を気にしすぎるという傾向があります。
周囲のことを気遣う姿勢はとても素晴らしいことですが、度を過ぎると逆に相手の気分を害す可能性もあるので注意が必要となります。
沈黙はアウトプットの瞬間
沈黙が生まれるのは会話の糸口を見失ってしまったとき、あるいは会話のゴールが見えなくなってしまったときです。
ただ、そのほかにも沈黙の瞬間はあります。
それは、相手が黙って考えている時間です。
何かを語りたいけれども、迷ったり悩んだりしているので、すぐには言葉が出てこないのです。
たとえば、
相手「今の会社に残るべきか、辞めるべきか悩んでいるんだよね」
私 「今の会社、大変なんだね」
相手「今の会社には不満はないんだけど、かといってやりがいもないし…」
私 「じゃあ、辞めるとしたら何かしたいことがあるの?」
相手「新しいことをやろうと思うんだけど、実績もないし…」
私 「そっか」
相手「…」
それっきり相手は黙ってしまいました。
このようなときに、こちらが沈黙を破って言葉を発したり、速く答えを出すよう催促したりするような発言をしたら、相手の思考は止ってしまいます。
いわば、沈黙はインプットがアウトプットに変わる瞬間だと考えてみてはいかがでしょうか。
相手が沈黙したら、こちらも黙って待つことも、会話の質を上げるためには大事なことなのです。
会話の相手がじっくりと考えるための時間を与えてあげて、相手が次の言葉を発するまで気長に待つのです。
相手は、その後
「考えた結果、今の会社で、まだできることがあることに気づいた」
という答えを出しました。
沈黙のあとに相手が発する言葉は、思いのほか良い表現や、大切な考えが含まれていることが多いものです。
沈黙の場面でやってはいけないこと
沈黙がおとずれたときに、やってはいけないことが3つあります。
一方的に話す
一方的に話をすると、相手は反応するすきまもないので、話がつまらなくても黙って聞いているしかなくなります。
まるで面接でもしているように質問して答えを聞き、また次の質問をくり返すのもNGです。
質問を続けていれば、会話は途切れないかもしれません。
しかし、質問の答えに反応していないわけですから、それでは会話とはいえません。
相手にしたら、沈黙と同様、苦痛の時間としか映らないでしょう。
話題を変えてしまう
話が途切れてしまったので、もうこれ以上会話が続かないと決めつけてしまい、話題を変えてしまう人がいます。
これは、相手に対して、とても失礼な場合があります。
相手は今の話題について、自分なりに整理をして、話すことを真剣に考えている可能性があるからです。
そんなときに、急に話題を変えられたら、あまり気分が良いものではありません。
脈略のない質問をする
苦し紛れの質問は、相手からすれば、「その質問に答える意味はあるの?」「何のために聞いているの?」と思うことがあります。
仕事の話をしていたのに、急に、「趣味は何ですか?」と聞かれたら、驚きますよね。
脈略のない質問は、雰囲気を悪くしてしまう原因になります。
※知らないと危険!不快な話し方をする人の特徴について解説しています。
本日のまとめ
沈黙が恐い理由
「沈黙によって人に嫌われたくない」という心理が強く働きすぎていることが影響している。
沈黙に対する考え方
・沈黙はインプットがアウトプットに変わる瞬間だと考えてみる。
・相手が沈黙したら、こちらも黙って待つことも、会話の質を上げるためには大事なことである。
沈黙の場面でやってはいけないこと
・一方的に話す
・話題を変えてしまう
・脈略のない質問をする