苦手な人との接し方
自分から声をかける
苦手な人に対しては「自分から声をかける」ことを心がけましょう。
挨拶でも、名刺交換でも、どんなシチュエーションでもいえることです。相手がどうであれ、「自分から」が基本です。
しかし、実際には、「相手が挨拶してきたら私もしよう」、「相手の出方を見てから行動しよう」という、「相手待ち」の姿勢の人が多いのではないでしょうか。
もし、「相手が話しかけてこないなら、私もしない」という姿勢でいたら、永遠にその人とは仲良くなれないかもしれません。
自分にとって宝物になるはずの人脈を捨てているようなものです。勇気を出して声をかけてみましょう。
相手の反応は気にしない
コミュニケーションのもうひとつの大前提、それは「相手の反応を気にし過ぎない」ということです。
気持ちよく笑顔で挨拶をすれば、たいていは相手からも同じように返ってくるものです。
でも、もし同じような反応が返ってこなくても、気にする必要はありません。
相手の反応を気にし過ぎる人は「自分が挨拶しても、相手がしてくれなかったらどうしよう」とか、「“エッ?”という顔をされたらどうしよう」と考えてしまいます。
万一、無視されたりヘンな顔をされたとしても「私が気持ちいいから挨拶しているだけ」、「人とコミュニケーションをとれる人間でありたいからしているだけ」と思うようにしてはいかがでしょうか。
相手の名前を呼ぶ
挨拶するときには、ただ「おはようございます」ではなく、「○○さん、おはようございます」と言ってみましょう。
挨拶の言葉だけだと、単なるマナーで言っているという感じがしますが、そこに名前を付け加えると、心がこもった挨拶になります。
「○○さん、お疲れさまです」
「ありがとうございました、○○さん」
「たいへん勉強になりました、○○さん」
「○○さん、また明日」
苦手な人に対してはとくに、名前を呼ぶように心がけましょう。
名前は、自分にとって特別なものです。相手が自分の名前を覚えてくれていると思うと嬉しいものです。
※名前を呼ぶことの効果について、詳しく解説しています。
苦手な人との話し方
かなり年が離れた人と話すとき
ビジネスシーンでは、かなり年の離れた方、つまり、まったく共通点などないのではないかと思える方との会話が苦手だという人も多いでしょう。
そうした人とうまく距離を縮めるためには、会話をする順番を意識して質問をすると話しやすくなります。
その順番は「過去」⇒「現在」⇒「未来」⇒「現在」です。
なぜ、最初が「過去」なのでしょうか。
過去は誰にでもあることで、苦労話や成功談のひとつやふたつは、みなさん持っているからです。
とくに相手が自分より年配の取引先の社長さんなら、そうした話の数は飛躍的に多くなっていきます。
「創業されたのは、どういうきっかけだったのですか?」
「〇〇というサービスを世間の人に知ってもらいたくてね」
「ご苦労もおありだったのではありませんか?」
「そうなんだよ。実はさ‥‥」
過去の話は、年配の方には特に話しやすい話題です。
しかも、そうした過去の話は、身近な人ほど喜んでは聞いてくれません。
こういうことを聞いてくれるあなたに親近感が芽生えますし、聞いているあなたも、その人にとって話したいことのキーワードをたくさん見つけることができます。
次は、現在の話題です。
過去の話を聞いた後、昔と今の違いや、現在の課題について質問します。
「今は、昔とずいぶん変わったこともあるのではありませんか?」
親近感を持った相手は、あなたに話してくれるでしょう。
商談がらみであれば、たいてい「売上を上げたい」「コストを削減したい」「従業員のモチベーションを上げたい」などといった話題になると思います。
さらに、未来の話へ移ります。
質問はこうです。
「では、御社を将来どのようになさりたいのですか?」
これからやってみたいことですから、将来のビジョンや夢は積極的に語ってくれるでしょう。
そして再び現在に戻るのです。
「将来そういう会社になるために、取り組もうとされていることは何ですか?」
すると、現在の課題のうち最も切実な問題を挙げるはずです。
それこそが、相手が今、最も解決したい問題なのです。
あなたは、その問題解決のために提供できることを話せばいいのです。
過去⇒現在⇒未来⇒現在。遠回りな方法に思えるかもしれませんが、共通点が見つけにくい相手だからこそ、相手を知って心の距離を縮めることが、結局は近道なのです。
無愛想…歓迎されていない相手と話すとき
同じくビジネスシーンでは、とくに営業のようなお仕事をしている場合には、心を開いてもらえない人に会って話をしなければならないことがあります。
ぜひ会いたいと思っていた企業の経営者にやっとのことでアポイントが取れたとしても、電話での応対を聞いているかぎり、先方はぜひとも会いたいというわけではなく、話だけは聞いてやるという雰囲気だった…ということもあるでしょう。
こうしたケースでは、あなたはどんな思いで商談に臨みますか。自分の話を聞いてもらえそうもない、いやだなぁという先入観を持っていませんか。
苦手程度な先入観ならまだしも、なんでこんなに無愛想なんだ、と怒りにも近い拒否感を持ってしまうこともあるでしょう。
そうしたマイナスの感情は、会話にブレーキをかけ、自ら話しづらい空気をつくることにしかなりません。
まずは、この人がなぜ自分に会ってくれたのだろうかということを考えてみてください。
そもそも、本当に嫌だったら会いません。何かしら期待感がなければ、わざわざ時間を取ることなどないはずですから。
まずは、忙しいところを自分のために時間を割いてくれたことに感謝しましょう。そうすれば、素直に
「お時間をいただきまして、ありがとうございます」
という言葉が心の底から出てくると思います。
それでも一向に口を開いてくれない場合は、思い切って質問しましょう。
「お時間をいただけた理由は何ですか?」
相手の期待感がどこにあるのかをつかむことが大事で、そこさえつかめれば会話は広がっていくはずです。
本日のまとめ
苦手な人との接し方
・自分から声をかける
・相手の反応は気にしない
・相手の名前を呼ぶ
苦手な人と会話するコツ
・かなり年が離れた人と話すとき
会話をする順番を意識して質問をする。
その順番は「過去」⇒「現在」⇒「未来」⇒「現在」。
・無愛想…歓迎されていない相手と話すとき
まずは、この人がなぜ自分に会ってくれたのだろうかということを考えてみる。
そして、忙しいところを自分のために時間を割いてくれたことに対して、感謝の気持ちを伝える。