ドアインザフェイスとは?
ドアインザフェイスとは、最初に「大きな要求」をして、相手から「拒絶」された後で、本命の「小さな要求」をすると、承認してもらいやすくなる、という交渉術です。
心理学の「返報性の原理」を応用したテクニックです。
例えば、皆さんもプレゼントをもらったら、何かお返しをしなければと思いますよね。
「返報性の原理」は「何かをしてもらったら何かをしたくなる」という心理現象のことです。
ドアインザフェイスは、「拒絶を受け入れてくれたから、次の要求は受け入れなければ悪い」と相手に思わせることがポイントです。
※小さな要求をして大きな要求を通す交渉術はこちらを参考にしてください。
ドアインザフェイスの具体例
生命保険の営業
営業「毎月3万円の生命保険はいかがでしょうか?」
(あえて、拒絶されるような、大きな要求をする)
客「それは、高すぎますよ」
(拒絶をされる)
営業「では、もう少し安い、毎月1万円の生命保険はいかがでしょうか?」
(本命である、小さな要求をする)
客 「う~ん、1万円ならなんとか」
家電量販店で値引き交渉
私 「このTV、半額にしてもらえませんか?」
店員「半額ですか、それは無理です」
私 「うーん。なら、1割引ならどう?」
店員「わかりました。1割引ならOKです」
部下に残業してもらいたいとき
上司「すまないが、今日、徹夜で仕上げてもらいたい仕事があるんだけど」
部下「それは無理です」
上司「それじゃぁ。2時間だけでもお願いできないかな」
部下「2時間ぐらいなら、大丈夫です」
子供に手伝いをさせる
母親「疲れた…。ご飯作ってくれる?」
息子「え~。めんどくさい!」
母親「じゃあ、せめて、洗い物だけでも、お願い」
息子「洗い物ぐらいなら」
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私 「今度、デートしてもらえませんか?」
女性「それは、無理です」
私 「それなら、Lineだけでも交換して下さい」
女性「Lineならいいですよ」
ドアインザフェイスを使うときの注意点
相手の気持ちを意識しておく
ドアインザフェイスを使った交渉の後に、相手が「なんだか、上手く乗せられた」という気持ちになることがあります。
交渉が終わったからといって気を抜いてはいけません。相手との信頼関係をより深める話や親しくなるための話を忘れずに入れましょう。
何度も使わない
「大きな要求」は1度きりにしましょう。何度も「大きな要求」をすると、相手は断り慣れてしまいます。
慣れてくると、断ってしまったことの罪悪感が薄れてしまい、ドアインザフェイスの効果は見込めなくなります。
本日のまとめ
①ドアインザフェイスとは、最初に「大きな要求」をして「拒絶」されると、「小さな要求」が通りやすくなるという交渉術である。
②ポイントは、最初の要求で、相手に拒絶をさせること。相手に、拒絶をして「なんか、悪いことをしたなぁ」と思わせる。
②ドアインザフェイスを使うときの注意点
・相手の気持ちを意識しておく
・何度も使わない