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【人間関係を築く上で大切なこと】「謙虚に謝る」・「喜んで許す」の心

 

謝ることと許すことの具体的な会話例を紹介

人に迷惑をかけてしまったが、「謝る」ことができなかった。その逆で、相手は謝っているのに「許す」ことができなかった。このような経験はありませんか?どちらも、人間関係においてマイナスです。本日は、「謝るときの言葉」と「許すときの言葉」について、会話例を挙げて解説しています。

 

 謝るのは、必ずしも「自分の」非を認めることとは限りません。

    自分が悪くなくても、他人が責任者でも、「申し訳ありません」と言うのが賢明です。

 そこから信頼関係が生まれます。

 「私は悪くない」と申し開きをしたところで、信頼関係が深まることはないでしょう。

 

 一方、許す場合は、「自分もやりかねない」という視点に立ちます。

    「長い人生では、自分が人に被害を与える場合もある」そう思えば腹立たしさも抑えられ、

「許せない」

「どうしてくれるんだ」

といった極端な言葉も出てこなくなるものです。

 謝罪や許容は、自分にも相手にもプラスの感情をつくります。

    怒りをぶつけるのは、おたがいを傷つける未熟な行為です。

 

※心のこもった謝罪のしかたについて解説しています。ぜひご覧ください。

 

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「謝る」と「許す」シーン別会話例

謝るときの言葉

自分の失敗を謝るとき

失敗を謝るときの言い方に、

×「私としたことが、こんな失敗をしてしまい、申し訳ありません」

というものがあります。

 しかし、この私としたことが」という言い方は、相手に対して、あまりよい印象を与えないでしょう。

 「私としたことが」という言い方は、暗に「私は本当は能力のある人間なので、ふだんはこんな失敗はしない」と伝えたいという印象を与えるからです。

 相手がそのように感じたとすれば、「謙虚さが足りない」と受け取られてしまうこともあるでしょう。

 また、相手に、「この人は『私としたことが』と言えるほど、能力がある人なんだろうか」と疑念を抱かせることにもなりかねません。

 

 謝るときは、あくまでも謙虚な姿勢を見せるほうが良いです。

〇「力不足で申し訳ありません。どうぞお許しください」

というような言い方です。

 

 「実るほど 頭を垂れる稲穂かな」ということわざがあります。稲穂は成熟してくると、その重みで穂先が下へ垂れてきます。

 そのように、「人間も、成熟するにつれて謙虚になり、自然と頭を下げることができるようになる」という意味を述べています。

 成熟した人間は、たとえ優れた能力があっても、失敗した時には「力不足で申し訳ありません」と謙虚に頭を下げることができる、ということです。

 「私としたことが」といった謝り方は、「そこまで成熟していないのかもしれない」と相手に感じさせる場合があるので、注意したほうがいいでしょう。

相手に面倒や迷惑をかけて詫びるとき

謝罪の言葉に、

「心からお詫びします」

というものがあります。

 確かに、立派な謝罪な言葉であると思いますが、これだけでは何か物足りない印象も感じられます。

 何が足りないかと言えば、

「ご迷惑をおかけしました」という一言です。

 「お詫びします」「すみません」「申し訳ありません」「不注意でした」などという謝罪の言葉は述べても、この「ご迷惑をおかけしました」という一言を言い忘れてしまう人は多いのではないでしょうか。

 しかし、この「ご迷惑をおかけしました」の一言が入るか、入らないかで、ずい分印象が変わってきます。

「心からお詫びします。深く反省いたします。以後注意します」

「ご迷惑をおかけしまして申し訳ありません。心からお詫びします」

 という二通りの言い方では、やはり後者の、「ご迷惑をおかけしまして」という言葉を入れた言い方の方が、本当にお詫びしている感じが強く出てきます。

 この「ご迷惑をおかけしまして」という言葉は、言いかえれば、相手の立場に立って言っている言葉なのです。

 こちらのミスで相手がこうむった迷惑を考えて、相手を思いやるからこそ、この「ご迷惑をおかけしまして」という言葉が出てきます。

 ですから、「ご迷惑をおかけしまして」という言葉を加えたほうが、心のこもった謝罪になるのです。

許すときの言葉

遅刻などで謝られたとき

 マーフィーの法則で有名なジョセフ・マーフィーは「許すという技術でもっとも大切なことは、『喜んで許す』ことだ」と述べています。

 たとえば、彼氏が約束した待ち合わせの時間に遅刻してきたとします。

 もちろん、彼氏に悪気があって遅れたのではないのです。

そのようなとき

×「だいじょうぶ。ちょっと待っただけよ」

 というような、待たされた事実にふれる言葉は口にしないほうがいいでしょう。

相手によっては、そう言われると

「やっぱり許してくれてないのか」

と受け止めかねないからです。

 そこから、気まずいデートになってしまうかもしれません。

 

 ですから、大らかな心で許してあげるのがいいのです。その際に大切なのはただ許すだけではなく、マーフィーの言葉にあるとおり、「喜んで許す」ことです。

「遅れてしまって、ごめんね」

と謝る彼氏に

〇「ぜんぜん構わないよ。だいじょうぶ。読みたかった本が読めてよかった」

などと、明るい笑顔で言ってあげるほうがいいでしょう。

 

 このように、「喜んで許す」ことができてこそ、イヤな気持ちを引きずることなくデートを楽しむことができるのではないでしょうか。

 この「喜んで許す」ことを、恋人との関係に限らず、あらゆる人間関係のモットーにしてほしいものです。

 そうすることで、まわりの人たちと仲よく、楽しくつきあっていけるようになります。

許せないほどの面倒をかけられたとき

 人間は、時に、「許せない」という気持ちになることがあります。

    特に、自分が、相手から大きな迷惑を受けた時には、そのように感じるものです。

 しかし、「許せない」という思いからは、さまざまなネガティブな感情が生まれてくることを忘れてはいけないと思います。

 それは、怒り、恨み、いらだち、欲求不満といった感情です。

    そのようなネガティブな感情は、自分の心を苦しめ続けます。

 苦しみを手放し、安らかな気持ちで今後の人生を過ごしたいのであれば、許せない相手であっても、「許す」ことを心がけてみることが大切です。

 そして、もし許すことができた時は、自分の心が平安に満たされていくのを実感できるのではないでしょうか。

   

    たとえば、身近な人の失敗で、自分が迷惑をかけられたとしても、

×「なぜ、そうなったんだ?」

と、相手に怒りをぶつけるのではなく、

×「よくあることだから、気にしなくていいよ」

という言葉で、許してあげるのです。

 相手も、このように寛容な心で許されたほうが、素直に「この人には、もう二度と迷惑をかけられない」と反省してくれるのではないでしょうか。

 そして、何よりも自分自身が、怒りという感情に振り回されて苦しむことなく、心安らかでいられるのです。